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囜際通貚に぀いおの研究ノヌト 第2ç« 


囜際通貚に぀いおの研究ノヌト 第2ç« 


第1章 山本孝則のドル危機論
 1はじめに 2固定盞堎制でのドル危機 3倉動盞堎制でのドル危機 4囜際通貚危機の歎史的䜍眮
第2章 山本栄治の囜際通貚論
 第1節 囜際通貚論争のサヌベむ
  1マルクス経枈孊 2囜際収支ずの関連でみた囜際通貚論 3囜際通貚ず倖囜為替取匕
 第2節「ドル本䜍制」の基本構造
  1IMF䜓制厩壊埌の囜際通貚 2「ドル本䜍制」の構造
第3章 楊枝嗣朗の金廃貚論批刀
 1楊枝の芖点 2朚䞋説の批刀 3金廃貚論の登堎 4『経枈孊批刀』の鋳貚論 5『経枈孊批刀』の鋳貚論ぞの批刀 6亀換過皋論での貚幣の芏定 7金廃貚論批刀 8抜象的蚈算貚幣
第4章 䟡倀尺床ず䟡栌の床量暙準
 1マルクスの芏定 2䞍換制の䞋での䟡栌の床量暙準 3研究の芖点

第2章 山本栄治の囜際通貚論


第1節 囜際通貚論争のサヌベむ


1マルクス経枈孊


 山本栄治は山本孝則ずは別の角床から䞍換制のもずでの囜際通貚ドルに぀いおの研究を行っおいる。研究成果は、1『基軞通貚の亀替ずドル』有斐閣2『「ドル本䜍制」䞋のマルクず円』日本経枈評論瀟3『囜際通貚システム』岩波曞店、の3冊であるが、ここでは1ず2に぀いお芋おいこう。
 たず2の補論で栄治は囜際通貚論争のサヌベむを詊みおいる。このサヌベむの玹介から始めよう。
 栄治によれば、マルクス経枈孊には独自の囜際通貚ずいった抂念はなく、貚幣論で䞖界貚幣金ず倖囜為替ずの関連を問題にしおいた258頁。その説はおおむね、倖囜為替取匕においお䞖界䞭から需芁される倖囜為替囜民通貚が囜際通貚であり、それは䞖界貚幣金の盎接的代理物、すなわち金債務でなければならないずされおいた。
 埓っおIMF固定盞堎制のもずでは、ドルは囜内流通では䞍換銀行刞であったが察倖的には1オンス35ドルで金亀換が保障されおおり、これがドルの囜際通貚ずしおの流通根拠ずされおいた。この芋地からは倉動盞堎制䞋のドルの流通根拠はどこに求められるだろうか。
 小野朝男は、ドルが金ずの亀換を停止されるこずで、ドルが金に代わる囜際通貚ずしお機胜しえなくなるのは圓然だずみなし、倉動盞堎制でのドルを「これは本来機胜しえないものを機胜させるこずを意味する。したがっお、そこには無理があり、矛盟がある」258頁ず䞻匵した。この無理を通すこずで䞖界的むンフレヌションが発生し、囜際通貚䜓制を動揺させる、ずいうのが小野の芋通しだった。
 今宮謙二は同じ認識から出発し぀぀も、䞍換通貚が囜内では囜家の匷制通甚力によっお流通させられおいるこずにアナロゞヌを求め、ドルはアメリカの政治・軍事力を背景に囜際的にも匷制通甚力をも぀ず䞻匵した259頁。
 䞉宅矩倫の堎合は匷制通甚力ではなく、玙切れずなったドルが流通するのは「諞囜圓局が、ドルを囜際通貚ずしお通甚するこずに暗黙の承認を䞎えおいるからに他ならない」259頁ずした。
 栄治によれば、䞉宅は囜際協力が成立した理由ずしお、1金・ドル亀換停止埌も囜際取匕は䞭断できないので、埓来の囜際通貚であったドルを匕き続き䜿っおいくほかはないこず、2金融機関や通貚圓局が倚額のドルを準備通貚ずしお保有しおいるので、それが通甚しないずなるず倧きな混乱が生じるこず、3各囜通貚は基準為替レヌトを決めなければならない、ずいう䞉点をあげ、その埌の論議の䞀぀の方向を瀺したが、しかし、これらの根拠はいずれも消極的なもので「垂堎原理に基づく積極的根拠に぀いおの考察は展開されなかった」260頁のであった。

2囜際収支ずの関連でみた囜際通貚論


 栄治は䞍換ドルの流通根拠を埓来のマルクス経枈孊が積極的根拠の解明ずしお進められず、ゆきづたっおしたったずし、次にアメリカの囜際収支ず囜際流動性に関する1960幎代の囜際通貚改革論争に觊発された岩野茂道や滝沢健䞉らの囜際収支ずの関連でみた囜際通貚論をずりあげおいる。その際栄治は囜際通貚論争の玹介から始めおいる。
 1960幎代の論争で倚数掟ずなったものはトリフィンのSDR創出論だった。その内容に぀いお栄治は次のようにたずめおいる。
「1第二次倧戊埌の囜際流動性䟛絊の倧郚分は、新産金ではなくアメリカの囜際収支赀字によっお創られるドル残高の増倧による。2IMF䜓制は䞀皮の金為替本䜍制であるこずから、ドル残高の巚額の环積は、ドルの金ぞの亀換性぀たり信認問題ドル危機を匕き起こす。3ドル危機を回避するには、アメリカの囜際収支赀字を停止しなければならないが、その結果は䞖界の囜際流動性䞍足を招く流動性ゞレンマ論。4したがっお、䞖界貿易の増加に芋合った䞖界の囜際準備の増加を図るためには、ドルに代わるなんらかの新準備資産が必芁である。」260-1頁

 この倚数意芋を批刀したものが、キンドルバヌガヌを代衚ずする少数意芋であり、これは1960幎代には敗北するが、68幎の金䟡栌二重性採甚の頃から「ドル本䜍制」論に䜓系化され71幎の金・ドル亀換停止埌にはアメリカの囜際通貚政策の理論的基瀎を提䟛した。栄治は、その内容を次のようにたずめおいる。
「1アメリカの囜際収支赀字はペヌロッパの匷いドル需芁の結果であり、䞍均衡の指暙ではない。2アメリカの長期資本茞出ペヌロッパの長期借入はペヌロッパの短期ドル預金アメリカの短期資本転入ずなっおアメリカぞ還流するこずから、アメリカは䞀皮の䞖界銀行ずしお囜際金融仲介機胜を果たしおいる。3ドル危機はアメリカの囜際金融仲介機胜を正しく理解せず、アメリカの察倖短期債務特に公的ドル残高を金債務ずみなし金準備ず結び぀けお考える人々によっお匕き起こされる誀った行動である。」261頁

 この少数意芋に觊発された岩野は、栄治によれば、日本で最初に䜓系的な「ドル本䜍制」論を展開した。岩野は䞀方で貚幣名目説の立堎から金廃貚論をずなえ、他方ではアメリカ系倚囜籍䌁業ずナヌロ・ダラヌ垂堎の発展ずいう「生産ず金融の囜際化」ずそれに支えられた囜際協力による囜際管理通貚制の確立を䞻匵した。栄治は、この岩野説は、䞍換ドルの流通根拠を貚幣論だけでなく、䞖界経枈の構造に求めた点で、埓来金ずの関連のみを議論しおいた論争に衝撃を䞎えたずみおいる。岩野説の特城は、金融仲介ずいう囜内銀行行動のアメリカ囜際収支ぞの適甚であり、1960幎代以降の米系倚囜籍䌁業ずナヌロ・ダラヌ垂堎の発展が、アメリカを銀行ずする閉じたシステムを成立させ、この囜際管理通貚制ドル本䜍制の䞋で金廃貚が可胜になったずみるずころにあった。
 この芋地からは、アメリカが䞖界銀行ずしおの圹割をはたせるかどうか、ずいう論点が導かれおくる。滝沢はアメリカが䞖界銀行の圹割をはたせるためには基瀎収支の均衡が必芁であり、そのためには少数意芋が䞻匵しおいた「長期貞り・短期借し」でなく「短期貞り・短期借し」に限定すべきだず䞻匵した。ずいうのも前者の堎合、短期資産の裏づけのないドル残高が創出される可胜性があり、ドルの信認問題に発展するからである。ここから滝沢は、金亀換は囜際通貚安定の条件ではあっおも流通の条件ではないずした。ずいうのもドルの信認を確保するための基瀎収支の均衡を保蚌する手段ずしお金・ドル亀換の請求があった、ずいうのである。
 ずころでドルを信甚貚幣ずみる山田喜志倫は、この基瀎収支の均衡を「䞖界垂堎における囜際的芏暡での資本の還流」ず捉え、䞍換のドルが信甚貚幣ずしお囜際的に流通する根拠ずみなした。ずころが珟実にはアメリカの基瀎収支は倚幎にわたり、赀字を継続させおいる。そこで信甚貚幣説にたおば、この赀字がどのようにしおファむナンスされおいるか、ずいう問題に぀き圓らざるを埗ない。山田は束村文歊の䜓制支揎金融論に䟝拠し通貚圓局による囜際協力を認めるこずずなり、こうしお山田の信甚貚幣説は、民間垂堎だけでの資本還流論が成立しなくなり、囜際協力に支えられた䞖界的資金埪環論䜓制支持金融論に倉容するず栄治は指摘しおいる。
 束村は䜓制支持金融論を、さらに䞀歩進め、倖囜圓局のドル残高保有が結果的に察米資本茞出ずなっおアメリカの囜際収支赀字をフィナンスしおいる点を「債務による決枈」だず䞻匵した。だが栄治によれば、この議論は囜際通貚の非察称性の䞖界における䞀方の立堎、すなわち䞭心囜の立堎からみた囜際協力に支えられたドルの䞖界的埪環論であっお、この議論には倖囜為替取匕を必芁ずする呚蟺囜の立堎からの芖点を欠いおいる。䞖界的資金埪環論には向寿䞀や䞭尟茂倫らの研究成果があるが、これらもやはり䞭心囜の立堎からのものずなっおいる。
 朚䞋悊二はこの䞖界的資金埪環論からは囜際通貚の成立を説明できない、ず䞻匵した。ずいうのも囜際通貚の成立の条件は資金の埪環の連鎖そのものにあるのではなく、「それが䞀点に集䞭されお粟算されるずいう構造にある」からである。朚䞋にずっおは囜際通貚ずは倖囜為替取匕を通じお呚蟺囜を䞭心囜の囜内決枈システムに結び぀ける䞖界システムであった。

3囜際通貚ず倖囜為替取匕


 栄治によれば、囜際通貚を囜際収支ずの関連で考察しようずする論者は、倖囜為替取匕が発生しない囜際通貚囜の立堎から囜際決枈を考察するため、倖囜為替取匕は実務䞊の圢匏にすぎず、囜際決枈ずは結局䞭倮銀行刞の授受を意味するず考えた。ずころが朚䞋らの方向は、囜際決枈ずは䞭倮銀行刞がそのたたの姿で登堎する閉じられたシステムの䞋で行なわれるのではなく、倖囜為替取匕を媒介にした分断された囜家間の決枈こそ問題にしなければならないず考えた。いわゆる貿易媒介通貚、為替媒介通貚の発芋がそれである。
 埓来の囜際通貚論は公的圓局の囜際決枈である金・ドル亀換にのみ焊点が圓おられおいたが、民間の囜際決枈が倖囜為替取匕を媒介にしお行われるこずを根拠に囜際通貚論を展開したのが久留間健ず小西䞀雄だった。久留間らは民間の囜際決枈ではいずれかの囜の通貚で決枈が完了し、金決枈は必芁ではないこずを明らかにした。しかし栄治は、久留間説は、倚くの倖囜通貚のうちからなぜ䞀぀の囜際通貚が遞ばれるか、ずいう囜際通貚成立の問題に぀いおは䞍問にしおいたず述べおいる。
 朚䞋悊二は、囜際通貚を䞖界貚幣金ずは異なる独自の範疇ずみなし、具䜓的には䞭心囜銀行制床の預金通貚の圢態で存圚するずみた。そしお、囜際通貚成立の条件を、その囜が1䞖界的再生産においお䞭心的䜍眮にあるこずが基瀎条件であり、2有力な囜際金融垂堎をも぀こずが珟実的な条件であり、3この再条件を結び぀ける媒介環が匕受信甚である、ずした。朚䞋の囜際通貚論は、民間の囜際決枈、特に䞉囜間貿易決枈に甚いられる取匕通貚貿易媒介通貚の成立を重芖しお議論されおいた。
 深町郁圌は囜際決枈が貿易決枈だけでなく、銀行間決枈ずしお行なわれる点に泚目しお銀行間取匕通貚為替媒介通貚の機胜に焊点をあおた囜際通貚論を展開した。ここからは、銀行間為替取匕にあっおコストの䜎い通貚であり、たた資金調達の容易な囜際金融垂堎をも぀囜の通貚ずいう芏定がでおくる。深町が貿易媒介通貚ではなく為替媒介通貚を重芖したのは、ペヌロッパ諞囜の貿易にあっお、ドル建おの決枈が想像されおいたよりもずっず䜎い比重しかしめおいなかったこずにある。ドルは銀行間取匕通貚ずしおは圧倒的な䜍眮を占めおいるからである。
 あず埳氞正二郎は為替媒介通貚に特化した囜際通貚論を展開した。栄治は埳氞説の批刀を通しお自説を述べおいるが、そのポむントは、囜際通貚は貿易媒介通貚民間、為替媒介通貚銀行間そしお基軞通貚通貚圓局の䞉぀の機胜の盞互関連を螏たえお党䜓的に考察しなければならない、ずいうずころにある。そしおこの䞉者の盞互関連は時代ずずもに倉化した。
 ポンドが基軞通貚であった金本䜍制䞋では民間の為替銀行が自由に囜際的な金の裁定取匕を行いえたため、為替媒介通貚は抂念ずしおも実䜓ずしおも自立しおいない。これが自立するのはIMFの固定盞堎制の䞋であり、そしお倉動盞堎制の䞋で党面的に発展した。そしおポンドからドルぞの基軞通貚の亀代をもたらしたものこそ、ドルを平䟡のもずに固定盞堎制をひいたIMF䜓制であった。そしお倉動盞堎制ぞの移行は囜際流動性の調敎も囜際収支䞍均衡の調敎もすべお民間垂堎にゆだねるノンシステムずなった。ここでは基軞通貚の圹割は埌退し、貿易媒介通貚は倚様化したが、為替媒介通貚にあっおはドルは圧倒的な䜍眮を埗おいる。
 このあず80幎代に入っおの囜際通貚ドルの䟵食に぀いおの議論が続いおいるがそれは省略する。

第2節「ドル本䜍制」の基本構造


1IMF䜓制厩壊埌の囜際通貚


 金・ドル亀換が停止されお固定盞堎制から倉盞堎制ぞず移行するこずによっお、公的な囜際決枈におけるドル、基軞通貚ずしおのドルの制床的な存圚根拠が吊定されたにもかかわらず、ドルは囜際通貚の地䜍を維持しただけでなく、かえっおその地䜍を匷化したのは䜕故か、このように問題をたおた栄治は、倉動盞堎制になっお以降急速に拡倧し統合されおきた囜際金融垂堎でのドルによる為替媒介通貚機胜の独占にその回答を芋いだしおいる。
 栄治によれば貚幣の歎史は叀いが囜際通貚の歎史は比范的新しく、19䞖玀埌半以降の出来事であり、それは近代囜民囜家の登堎ずずもに囜民経枈圏が圢成され、䞭倮銀行が商品貚幣金貚ずは別に囜民経枈圏内を珟金ずしお流通する囜民通貚䞭倮銀行刞を発行するようになったこずを前提にしおいる。
 預金銀行は珟金準備を基瀎に預金通貚を創造し、たた珟金準備の過䞍足を調敎する銀行間垂堎である貚幣垂堎も組織され、囜民通貚を基瀎にした囜内決枈システムが構築されたが、これが囜際決枈にたで利甚されるようになっお囜際通貚抂念が成立したず栄治は芋おいる。
 「囜際通貚の具䜓的な存圚圢態は、䞭心囜におかれた呚蟺囜コルレス銀行あるいは海倖支店銀行の䞭心囜通貚建お芁求払預金であり、かっおはポンド残高、今日ではドル残高ず呌ばれる倖囜残高である。」『ドル本䜍制䞋でのマルクず円』、5頁
 囜際決枈はそのための特別の決枈システムが別に䜜られおるのではく、䞭心囜の囜内決枈システムを呚蟺囜がそのたた囜際決枈システムずしお利甚しおいるにすぎないので「囜際通貚ずは呚蟺囜が倖囜為替取匕を通じお䞭心囜の決枈システムに結び぀けられる『䞖界システム』であるず考えるこずができる」5頁
 ここから栄治は二぀の問題が出おくるずいう。䞀぀はある囜の囜内決枈の仕組みを各囜がそのたた囜際決枈の仕組みずしお利甚できるのは䜕故か、ずいうこずであり、もう䞀぀は呚蟺囜が倖囜為替取匕を行う際に䜕故倚くの倖貚の䞭から䞀぀の囜民通貚を遞ぶのか、ずいう点で、この双方は結び぀いおいるず芋られおいる。
 この二぀は単に䞭心囜が軍事倧囜や貿易倧囜、さらには金保有囜ずいった条件を備えおいるだけでは十分ではなく、囜際的信甚制床ずいう䞖界システムを確立するこずで解決しうるものであり、囜際金融垂堎ず囜際金融ネットワヌクが必芁だずいうのである。
 呚蟺囜が倖囜為替取匕においお䞭心囜通貚建おを採甚するのは、為替リスクを負担しおもなお、䞭心囜の囜際金融垂堎においお囜際決枈に必芁な囜際信甚を利甚できるからである。詳しくは囜内決枈では䌁業の債暩債務関係を代䜍した銀行間の決枈に際し、その盞殺差額は貚幣垂堎でファむナンスされるが、囜際決枈の堎合、たず為替銀行の債暩債務関係の決枈ずしおなされ、぀いで囜際倖囜為替垂堎で盞殺されるが、それでも残る䞀囜の囜際決枈の盞殺差額は経垞収支䞍均衡ずなり、これを手もちの倖囜残高でカバヌできない堎合、䞭心囜の囜際金融垂堎でファむナンスされねばならない。
「囜際的信甚制床はこのように囜際決枈の盞殺差額を自埋的に調敎できるメカニズムを内包しおいるこずにより囜際通貚を぀くり出す。すなわち、囜内信甚制床に支えられた囜内決枈システムのうえで芁求払預金が支払手段預金通貚ずなるのず同じように、囜際的信甚制床に支えられた、䞭心囜通貚建お芁求払預金は、䞭心囜の囜内決枈システムをそのたた囜際決枈システムに利甚できるため囜際的な支払手段囜際通貚ずなる。その結果、呚蟺囜は倖囜為替取匕においお䞭心囜通貚建おを採甚するので、倖囜為替垂堎は呚蟺囜に圢成され、䞭心囜には倖囜為替垂堎は圢成されず代わりに囜際金融垂堎が存圚する。」6頁

 以䞊が栄治の囜際決枈システム論である。

2「ドル本䜍制」の構造


 このようなシステムのなかで囜際通貚が動いおいるが、囜際決枈ずいっおも民間䌁業ず銀行レベルず公的䞭倮銀行レベルの次元があり、囜際通貚はこれらのレベルでの囜際決枈を行ううえで様々な機胜を果たしおいる。
 民間レベルでは貿易取匕における契玄通貚、銀行間の囜際決枈における決枈通貚、そしお囜際金融垂堎における投資通貚の䞉぀の機胜である。他方公的レベルでの囜際通貚機胜をはたすものを基軞通貚ず呌び、これに属する通貚の機胜を基軞通貚、介入通貚、準備通貚ず栄治は名づけおいる。
 このように基軞通貚ずは公的レベルの囜際決枈における囜際通貚抂念であるが、これに察しお民間レベルの囜際決枈における囜際通貚を媒介通貚ず呌ぶ。栄治によれば埌者は最近ようやく確認されるようになった抂念であるずいう。
 栄治はこの媒介通貚に倉動盞堎制の䞋でのドルが囜際通貚ずしお通甚しおいるこずの根拠を求めおいる。媒介通貚ずいっおも䌁業レベルでの囜際決枈、぀たり貿易媒介通貚ず、銀行間倖囜為替垂堎での囜際決枈で䜿われる為替媒介通貚ずがあるが、埌者の方が重芁であるずしおいる。
 そもそも為替媒介通貚ずは囜際金本䜍制の䞋では存圚しえず、為替銀行が自由に金を売買出来なくなった埌で銀行間倖囜為替垂堎で圢成された。そしお、IMF固定盞堎制の䞋では、為替銀行は䞭倮銀行ずの関係が断ち切られ、為替銀行は囜内の銀行間倖囜為替垂堎で為替持高のカバヌが取れない堎合には海倖垂堎に出動しおいかざるをえなくなった。しかも倉動盞堎制の䞋では金融自由化、為替自由化により、内倖資本取匕の芏制が廃止され、巚額の資本移動が発生し、為替銀行の銀行間倖囜為替垂堎での行動もそれたでの為替リスク回避の裁定志向型取匕䞭心から為替銀行自身の自己勘定での投機志向型取匕が䞭心ずなった。
「この海倖垂堎ずの取匕によっお各囜の銀行間倖囜為替垂堎が結び぀けられるこずになり、䞖界的な芏暡で統䞀された囜際倖囜為替垂堎が圢成された。今や䞖界の䞻芁な銀行間倖囜為替垂堎では囜内取匕よりも察海倖垂堎ずの取匕の方が倧きくなっおいる。  倉動盞堎䞋での為替操䜜は、このように囜内取匕よりも察海倖垂堎取匕が䞭心になるため䞖界の倖囜為替垂堎を舞台に展開される。そしお、この24時間グロヌバル・ディヌリングは察ドル取匕を媒介にした為替取匕であった。」29頁

 倉動盞堎制䞋においお、為替媒介通貚ドルは自己増殖的な需芁を生みだすこずになり、銀行間倖囜為替垂堎で圧倒的な地䜍を占めるようになった。この時期、契玄通貚や投資通貚、ずしお準備通貚のレベルではマルクや円などの倚様化が進展したが、他方で為替媒介通貚機胜がドルに集䞭するようになっお、これが「ドル本䜍制」を支えたず栄治はみおいる。




Date:  2006/1/5
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