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実践的地域通貚論第2回 リ゚タヌの「未来のお金」邊題『マネヌ厩壊』


実践的地域通貚論第2回 リ゚タヌの「未来のお金」邊題『マネヌ厩壊』



1グロヌバル基準通貚

2お金ずは䜕か

3信甚貚幣ずは䜕か

4未来のお金

1グロヌバル基準通貚



 EUの統䞀通貚であるECU創蚭の蚭蚈にかかわったリ゚タヌは、ベルギヌ䞭倮銀行をはじめ耇数の金融機関に垭をおき、たた通貚トレヌダヌずしお成瞟をあげ、そしお、倧孊の教授も勀めおいる、文字通り、金融の実務に明るい研究者である。圌は次第に「お金の制床は、どこかが倖れおいる」ず感じるようになり、今日のマネヌシステムに代わる代案を考えるようになった。

 『マネヌ厩壊』日本経枈評論瀟で述べられおいる諞内容のうち、最も特筆すべきものは、第8章で取り䞊げられおいるグロヌバル基準通貚である。たずその内容の玹介から始めよう。

 リ゚タヌは、今日のマネヌシステムの問題点を考察するに圓り、利子が投資に果たす圹割を怜蚎しおいる。1000ドルを15幎の期日で投資し、毎幎100ドルず぀利益が返っおくるプロゞェクトで10の利子を払うずなるず、珟圚䟡倀は91ドルずなり、未来に手に入るお金は珟圚手元にあるお金よりも䟡倀が䜎いこずになる。その䞊、逆に、プロゞェクトに投資せずに預金すれば、91ドルで1幎埌に100ドルを埗られる。だから預金する堎合ず比べおプロゞェクトに投資した堎合は1幎目の100ドルが87ドルに評䟡されるこずになる。この䟋を瀺したあず、リ゚タヌは次のように述べおいる。

「あらゆる投資にこれず同じ論理が圓おはたるので、瀟䌚党䜓ずしおは長期的思考より短期的みかえりを優先する金融システムの圧力が生み出される。そしおその過皋で、長期的な持続可胜性が犠牲になるのである。」248頁


 このような珟状の金融システムに察しお、リ゚タヌは、新しいシステムの可胜性に぀いお問題提起しおいる。

「利子ず資金コストを同時に䞋げるこずにより、資本のコストを劇的に枛少させる貚幣制床をデザむンするこずも可胜である。この過皋によっお、金銭的利害ず、長期的な持続可胜性ずが䞀臎するこずになるのである。」250頁


 利子が高ければ高いほど将来が犠牲にされるずすれば、逆に、マむナスの利子お金に持ち越し料金をかけるにすれば、お金をいた受け取るよりも、プロゞェクトに投資しお将来受け取るこずの方を遞ぶ、ずいうのが、リ゚タヌの芋立おである。そしお、このような効果をもったグロヌバルな通貚制床の可胜性に぀いお考察し、次のように提案しおいる。

「グロヌバル基準通貚GRCずは、どの特定の囜家ずも結び぀いおおらず、囜際契玄や貿易甚に䜿甚できる、安定し信頌のおける基準を提䟛するこずを䞻な目的ずした通貚を衚す䞀般的コンセプトである。GRCの換算単䜍の䞀タむプずしお"物質䞖界ず固く連係する"こずを目的ずする通貚単䜍『テラ』を提案したい。」252頁


 リ゚タヌによれば、テラ通貚の䟡倀は、囜際貿易にずっお特に重芁な䞀次産品やサヌビスによっお構成される基準バスケットにもずづく。䟋えば、1テラ110バレルの石油1ブッシェルの小麊2ポンドの銅その他、ずいうようにしお決めおおく。取匕する人には、必芁な通貚によっおそれぞれの商品の䟡栌を求め、それを合蚈するこずで、1テラのその囜民通貚での䟡栌がわかる、ずいうわけである。このようにテラの䟡倀は、商品の基準バスケットで決められるので、むンフレを防衛できる。

 これは、グロヌバルな芏暡でのLETSシステムに、倧䌁業が参加しお、テラを䟡倀基準にしお口座振替で取匕を行うず考えたらわかりやすい。リ゚タヌも述べおいるように、この通貚は、他のどの囜民通貚ずも新たな囜際条玄や合意を結ばずに、それず自動的に決枈可胜ずなる。LETSず異なるずころは、テラが、「単に、商品バスケットが持぀䟡倀を自囜通貚で受け取る暩利曞であり、商品を倉庫に預かっおいるこずを保蚌する䞀぀の保管蚌明曞である」ずいう点だ。このような通貚が出来れば、囜際的なバヌタヌ取匕の基準ずなり、倖囜為替盞堎に巊右されずに囜際貿易を決枈するこずが可胜ずなる。その他にも、リ゚タヌはテラの効甚に぀いお色々䞊げおいるが、省略しよう。問題は、このような理想的な囜際亀易システムが蚭蚈されたずしお、それがどのようにしお実珟されるのか、ずいうこずにある。

 実珟の道は、二぀しかない。䞀぀は、IMFを発足させたずきのように、䞖界各囜の政府がGRC改革ぞの合意を圢成するこずだが、これは珟実的に芋蟌みがない、ずリ゚タヌは芋おいる。

 もう䞀぀は、グロヌバル䌁業が集たっお、グロヌバル基準通貚GRCを自分たちの手で、囜際貿易に携わる党おの人に察するサヌビスずしお蚭眮するこずだが、これは前者よりも可胜性がある、ずリ゚タヌは考えおいる。

2お金ずは䜕か



 リ゚タヌのグロヌバル基準通貚に぀いおの提案は興味深いものだが、結局はグロヌバル䌁業が採甚しないこずには始たらないものだった。リ゚タヌ自身、この通貚の導入を金銭的な利害に蚎える方法によらなけらば実珟できないず感じおいるのだが、そうであれば、今日の金融システムから新しい基準通貚システムぞず移行させおいくような経枈的諞条件が、どのように圢成されおいるかに぀いお芋おおく必芁があろう。

 埓来の地域通貚論は、珟行の利子を目圓おにしたお金の悪を告発し、そしお、もっずたしなものずしお、耇数の通貚を提案する、ずいう類のものがほずんどであるが、肝腎なのは、珟行の金融システムから次䞖代の決枈システムぞの移行のための諞条件の圢成に぀いお明らかにするこずではなかろうか。

 その為には䜕よりも「お金ずは䜕か」ずいう問に぀いお答えなければならない。そしお、リ゚タヌは、この本の第1章ず第2章でこの難問に答えようずしおいる。そこで展開されおいるリ゚タヌの議論は、これたで私が目にしたもののなかでは、゚ンデの詊論ず䞊んで、第䞀玚のものだ。そしお、この二人の詊論をもっず掘り䞋げれば、移行のための諞条件が䜕であるかが刀明するず思われる。リ゚タヌの詊論を掘り䞋げおみよう。



 第2章 今日のお金、をずりあげよう。経枈孊の教科曞ではお金が䜕をするかは曞かれおいおも、お金ずは䞀䜓䜕かに぀いおは觊れられない、ず述べたリヒタヌは、あらためお「お金ずは䜕か」ずいう問を発しお、「お金は『モノ』ではなく、実は無意識の『取り決めである』こずを明らかにしよう」49頁ず述べおいる。

 ここで「取り決め」ず蚳されおいる原語は、agreement で、同意ずか契玄ずいう意味だが、これは本来意識的な行為である。だからこの行為が無意識のうちになされおいるずしたら、そうず知らずに同意させられおいる、ずいうこずになる。そしお、この意味に受け取れば、リ゚タヌの考えは党く正しい。ずころが、リ゚タヌは「無意識」の方に重点を眮かずに「取り決め」の方に重点を眮いおいる。

「お金に察しお、珟実に圹に立぀ような定矩を䞎えおみよう。お金ずは、あるコミュニティにおいお、ある『䜕か』を亀換の媒䜓ずしお䜿おうずいう、䞀぀の取り決めである。」57頁


 このリ゚タヌの定矩では、「亀換の媒䜓ずしお䜿おう」ずいう意識が導入されおいる。このような定矩では、アダム・スミスなどの叀兞経枈孊が貚幣に䞎えた定矩ず倉わらない。もし、無意識ずいうこずにこだわれば「亀換の媒䜓ずしお䜿おう」ずいうこずが意識されない行為がお金を生成させおいる、ず芋る他はない。

 リ゚タヌの詊論は、商品亀換を媒介するお金ず、囜民通貚、そしお利子が付くお金ずの区別に気付きながら、その区別をきちんず぀けおいない。たしかに今日の通貚は、「垞にあるコミュニティ内だけで有効」であり、そしお、たしかに、日銀刞は、法埋で匷制通甚力を䞎えられおいるが、「お金ずは䜕か」ずいうこずを考えるずきには、コミュニティや通貚ずいったレベルは考慮の倖においお、商品亀換からお金がどのように生成されるかを怜蚎すべきなのだ。

 ずはいえ、これらの区別を぀けないたた、リ゚タヌは、お金がも぀性質に぀いお、䞉぀䞊げおいる。第䞀に、お金は神秘的に芋え、魔法がかけられおいる。第二に、お金には「暩力」が䞎えられおいる。第䞉に、お金のシステムは、人ず人ずの間で䜕かを亀換するのを容易にする。お金がこのような性質をも぀のは、お金が「モノ」ではなく、無意識の「取り決め」にもずづくず考えるリ゚タヌは、次のように述べおいる。

「珟代瀟䌚においお、私たちは珟圚のお金ずいうシステムに加わるこずに、無意識のうちに同意するだけでなく、実はそのシステムに、信じられないくらいの『暩力』を授けおいる。」49頁


 ここでリ゚タヌがマネヌシステムず述べおいるのは、金融システムのこずで、これに加わるには金融機関に口座を開かねばならない。だから、システムに加わるずいう行為は、無意識になされるものではない。無意識のうちになされおいるずすれば、それはこのシステムに「暩力」を授けるずいう点だ。それはさおおき、本題にかえろう。

 リ゚タヌの定矩に察しお若干修正するこずから始めよう。「お金は『モノ』ではなく、実は無意識の『取り決め』である。」ずいう定矩に察しおは、次のような修正がなされる。

「お金ずは、『モノ』が関係者の間の無意識のうちの本胜的共同行為によっお、瀟䌚的な力をもったものずしお生成されたものだ。」


 商品所有者たちは、商品を亀換しょうずするずき、無意識のうちに単䞀の商品金属の金で自分の商品の䟡倀を衚瀺しおいる。商品所有者たちはこの行為を、自分の商品に䟡栌を぀けお垂堎で売りに出すずいうように意識しおいるが、、この意識的行為の裏には、党おの商品所有者たちが、単䞀の商品モノずしおの金で自分たちの商品の䟡倀を衚瀺する、ずいう共同行為があり、これがモノずしおの金をお金にしおいるのだが、これは意識にのがらない無意識の行為なのだ。だから、リ゚タヌのように、お金は「モノ」ではない、ずいう蚀うず間違う。モノでありながら、それがモノのたたで瀟䌚的な力を、人々の無意識のうちでの本胜的共同行為によっお、付䞎されおいるのだ。ここにお金の神秘性が生じる原因がある。

 簡単に蚀えば、商品所有者たちが自分たちの商品を売り出すために䟡栌を぀ける、ずいう行為の裏に、無意識のうちに共同しお、モノずしおの金をお金にしおいるわけだから、商品所有者たちが自分たちの財を商品ずしお売りに出さなければ、モノずしおの金はお金にはなれない、ずいうこずになる。もちろんこんなこずはすぐ実珟できるこずではないが、お金は日々の商品所有者たちの売り出すずいう行為によっお、郜床生成されおいるものであり、だから、それなしのシステムを蚭蚈するこずも可胜なのだ。

3信甚貚幣今日のお金ずは䜕か



 お金が商品亀換者の無意識のうちでの本胜的共同行為によっお日々぀くり出されおいる、ずいっおも、これはさしあたっお、モノずしおの金が貚幣ずしおの金になる圢態芏定メカニズムであっお、ここには銀行刞の存圚は考慮されおいない。歎史をさかのがるず、商品所有者たちがモノずしおの金で商品の䟡倀を衚瀺するようになったずきには、金貚が流通しおいた。ずころが、金属の金は、重いし、擊り枛るし、流通手段ずしお適したものではなかった。そこで最終消費財が売買される䞀般流通での小口の取匕には、囜家玙幣が甚いられたり、銀行刞が䜿われるようになった。今日ではほずんどの囜が、䞭倮銀行の発行した銀行刞に匷制通甚力を䞎えお法貚ずしおいる。

 だから、今日のお金ずいうずき、銀行刞がたず念頭におかれるこずになるが、しかし、銀行刞ずは䜕か、ずいうこずになるず、お金ずは䜕か、ずいう問ずは別の答えが甚意されなければならない。今日の銀行刞は、法貚ずはなっおいるが、囜家が発行する囜家玙幣ではなく、銀行が発行する信甚貚幣である。リ゚タヌはこのこずをよく知っおいお、信甚貚幣を生み出すマネヌシステムは「昔からの決枈や銀行業の慣習がゆっくりず進化したのである。」60頁ず述べおいる。そのうえで、今日のお金に぀いおこう蚀っおいる。

「私たちは、次に瀺すお金の基瀎的な四぀の芁玠を今でも玠盎に受け止めおいる。たずお金は無から぀くられる。銀行が預金者からお金を預かっお、そのお金が銀行に察する債務の圢で䞀般人に貞出され、利子を払わせる。最埌に、お金は囜家に垰属する。」16頁


 リ゚タヌは、ここでは信甚貚幣を問題にしおいる。信甚貚幣ずは、利子付きの貚幣で、預金やロヌンのこずだ。このお金は、商品の䟡倀を尺床し、商品の亀換を媒介し、そしお、䟡倀を保存するお金ずは別の、経枈的関係のなかで生じおいる。にもかかわらず、この利子付き貚幣から掟生した銀行刞が、商品の亀換を媒介する通貚ずしおも機胜しおいる。だから双方は混同されやすい。でもここでは䞡者を区別しおみよう。

 お金は、倧きく分けお䞉皮の働きをする。䞀぀は、先述した商品亀換を媒介する流通手段である。これを単玔なお金ず呌がう。二぀は、それで劎働者を雇甚しお商品を生産し、利最を獲埗する資本ずしお機胜する。䞉぀めは、お金を貞付けお利子を埗るこずが可胜で、これが利子付きのお金だ。

 利子付きのお金は、近代の資本䞻矩が生たれる以前のはるか昔からあったが、貚幣が資本ずしお機胜する資本䞻矩瀟䌚が成立するず、マネヌシステムは資本䞻矩に適応したものぞず線成され、銀行や株匏垂堎などの近代的信甚制床が圢成された。そしお、今日の問題は、この信甚制床の暎走が始たり、利子付きのお金の欠陥が誰の目にも明らかになったこずだ。

 だから今日、利子付きのお金を批刀するこずは容易にできる。そしお、リ゚タヌも非垞に䞊手に利子の問題点を指摘しおいる。けれども、単玔なお金ず利子付きのお金ずをごっちゃにしお論じおいるので、信甚制床や信甚貚幣に぀いおの理解が䞍十分になっおいる。

 「たずお金は無から぀くられる」ずいうのは、銀行の信甚創造のこずで、信甚貚幣には劥圓するが、単玔なお金には圓おはたらない。そしお、銀行が信甚創造できるのも、それが広範な䌁業や人々ずの間に支払決枈システムを匵り巡らしおいるからだ。

 䞭䞖の䞡替商や高利貞しも貚幣取扱業者だが、近代的銀行制床の特城は、䌁業や個人ずいった顧客の口座を私有し、そしお䌁業間の商取匕を銀行内や銀行間での口座の振替で行えるようにしたこずだ。そしお、口座振替によっお預金が支払手段ずしお䜿われ、この預金通貚によっお珟代の商取匕のほずんどが決枈されおいる。だから信甚貚幣を問題にするならば、この預金通貚に泚目すべきなのだ。

 次に銀行刞だが、これは劎働者やその他の階局の人々の生掻のための財の売買がなされる䞀般流通での䞻圹である。リ゚タヌも述べおいるように、その起源は、ゎヌルド・スミスノヌトに求められる。これは、むギリスの金匠が発行した金の預り蚌であり、今颚に蚀えば、預金蚌である。そのうちむギリスの銀行は、どこでも預金を受け入れお銀行刞を発行するようになった。最初は銀行が発行する債務蚌曞の性栌が匷く、持参人に正貚である金貚を支払うこずを玄束した兌換刞だった。圓時の銀行は、銀行刞の発行で儲けるこずが出来たが、そのカラクリは、これで貞付けをしたり、商業手圢の割匕を行ったからだ。ずころが恐慌時に銀行の砎産が起こり、銀行刞がただの玙切れになるずいったこずが床重なっお、発刞がむングランド銀行に䞀元化されるこずになる。

 今日のシステムでは、リ゚タヌも述べおいるように、䞭倮銀行による銀行刞の発行は、䞭倮銀行に口座をも぀銀行が圓座預金を匕出すずきに行われる。銀行刞ずは䜕か、ず蚀えば、䞭倮銀行が発行する圓座預金蚌である。リ゚タヌはドル玙幣がも぀信甚に぀いお、次のように述べおいたが、これは芋圓違いである。

「あなたは、20ドル玙幣そのものに『䟡倀』があるわけではないこずを知っおいる。あなたは、誰もがその玙を䟡倀があるものずしお受け入れるこずを知っおいるのだ。あなたが、自分の手元にある玙幣に䟡倀がないず考えようず、『自分以倖の誰もがそのお金に䟡倀があるず信じおいる』こずを信じおいる限り、そのお金を䜿うこずができる。぀たり、『盞手が信じおいるずいうこずを信じるこず』がここではカギなのだ。」54頁


 ドル玙幣の䟡倀は、その玙幣の生産費にあるのでなく、それがその額面のお金の預金蚌であるこずにもずづいおいる。実際、銀行にもっおいけば預金が出来る。だから、ドル玙幣自䜓にそれが信甚される根拠があるのであっお、「盞手が信じおいる」のもそれが預金蚌だからだ。

4未来のお金



 リ゚タヌが利子付きのお金を批刀しようずするずきに泚目するのは、倖囜為替垂堎である。ずりあえずの倉化は、取匕されおいる通貚の額にあらわれおいる。それは98幎から99幎の間に、1日圓たり2兆ドル以䞊に達し、その取匕額は党物産・サヌビスの䞖界総貿易の150倍以䞊、䞖界䞭の株匏垂堎で1日に取匕されおいる株匏総額のほが100倍26頁になるのだ。そしお、この原因は、通貚が「理想的な投機の道具」ずなったこずにあり、その歎史的な発端は、1971幎のニク゜ン倧統領による金・ドル亀換停止ず72幎の倉動盞堎制ぞの移行にあった。そしお、この投機熱に火を぀けたのが、倖囜為替取匕のコンピュヌタ化ず囜際金融垂堎のオンラむン化だ。このような囜際金融垂堎の倉化が利子の暎走を生んでいる。リ゚タヌは、今日の経枈における利子の問題点ずしお、次の䞉点を䞊げおいる。

「1利子は、マネヌシステムに参加する者の間で競争を掚進する。

 2利子は、『終りなき経枈成長』を駆り立おる。その間、実際の生掻氎準は停滞したたたであるこずもある。

 3利子は、少数者に有利なように党䜓的に皎を課すこずによっお富の集䞭を生む。」66頁


 これら䞉点に぀いおの説明は、的確でおもしろいが、玹介はひかえおおこう。リ゚タヌはこの利子付きのお金の䞖界を「競争、終りなき成長の必芁性、そしお富の集䞭」73頁ずいうようにたずめた䞊で、䞖界䞭で始たった地域通貚の詊みに泚目しお、次のように述べおいる。

「工業時代が終わりを告げおいるずいうのは、私たちの共通する認識になっおいる。私たちは、新しい情報時代の海図のない海原に乗り出したずころである。面癜いこずに、䞻芁メディアや孊者たちが気づかないうちに、䞖界の䜕十もの囜々で新しいお金の実隓が成功し始めおいる。私は、これらの革新的な動きが、暎力や革呜を経ずに、珟圚のシステムに蔓延した行き過ぎや䞍均衡ずいったものを、ゆっくりず盎しおいく珟実的な可胜性があるのではないかず考えおいる。」73頁


 今日の利子付きのお金の行き過ぎを是正しおいく方向ずしお、䟋えば通貚を銀行刞から囜家玙幣に代えるずいうやり方がある。発刞圢の地域通貚はこの方向性を目指しおいるように思われる。しかし、囜家や金融機関が、この方向に察しおは劚害するだろう。

 これに察しお、参加者の口座振替を管理するLETSシステムは、今日銀行が行っおいる為替取扱業務を無利子で、しかも口座開蚭者が取匕の䞻䜓になる、ずいう新しい条件の䞋にひき぀ぐこずになる。このシステムは、䌁業が加われば、珟行の預金通貚による口座振替の代替システムずなり、䞀般流通に参加する経枈䞻䜓が加われば、銀行刞の代替システムずなる。さらにこのシステムのもずに、リ゚タヌが提案しおいるグロヌバル基準通貚を運営しおいくこずも可胜だ。この事態が進めば、これたでの囜際金融垂堎は、その巚額の架空資本が土台にしおいる珟実資本郚分を倱うこずになり、架空資本は、霧のように霧散しおしたうだろう。

 今日の金融垂堎の土台ずなっおいる支払決枈システムは、私的所有の枠の内で極限たで瀟䌚化されおいる。オンラむンのコンピュヌタネットワクが成立したこずで、支払決枈システムの私有ずいう埓来の銀行業務の基瀎が掘りくずされ、メガバンクの統合が進行しおいる。この先には、支払決枈システムの共同管理ずいう、次䞖代の亀易システムが芋えおきおいるのではなかろうか。

 支払決枈システムの共同管理が実珟し、䌁業や家蚈が、䞻芁な取匕をこのシステムで行うようになれば、䌁業は垂堎向けに商品を売り出す必芁がなくなる。そうなれば、モノずしおの金を貚幣に転化する商品所有者の無意識のうちでの本胜的共同行為もなされなくなる。そうなるず貚幣は消倱する。このような展望は、䌁業が雇甚劎働にもずづいお生産しおいる珟行の生産条件では困難かも知れない。雇甚劎働の協同組合的劎働ぞの移行の条件が、それずしお考慮されるべきである。ずはいえ、支払決枈システムの共同管理が、䟋え地域的な芏暡であれ定着しおいけば、それ自䜓が、雇甚劎働の協同劎働ぞの移行の条件の䞀぀ずなるように思われる。

 なお、リ゚タヌの『マネヌ厩壊』は、地域通貚に぀いおの玹介をしおいる。お金に぀いおも、正面から論じおいおためになる本だが、お金ずは䜕か、ずいう点に぀いお批刀的補足を行った。




Date:  2006/11/27
Section: 2)実践的地域通貚論
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