（1）柄谷さんは「提案1」で「レーニン主義とアナーキズムのいずれをも拒否するような組織形態」を提案している。レーニン主義とは、革命の主体をプロレタリア階級に求め、この主体を指導する前衛党の必要性を説いた。他方、アナーキズムは、個人の自由に原理をおき、自由連合を唱えるか、協同体主義に回帰した。

（2）今日、階級を主体とみる潮流は影響力を失いつつある。他方、個人を主体とみる考え方は、市民主義となって影響力は増大した。しかし、共同体主義は自閉している。

（3）アソシエーションは、主体を個人や階級に求めるのではなく、個人と個人の間に求める。それは本質的に間主体性の追求であった。

（4）とりあえずアソシエ21を間主体性の具体的形態と捉えてみよう。そうするとアソシエ21とは、会員相互の間に雲のようにたなびいているものだ、ということになる。

（5）雲は、網で掬い取れるものではないし、また力によって引き寄せられるものではない。また、それに乗ろうとすれば落下せざるを得ない。

（6）雲の運動は熱にもとづく。一定の領域の雲の温度が上がると上昇気流を生じ、周囲の雲が集結し、やがては台風に発達する。

（7）雲とのアナロジーで言えば、アソシエ21関西には温度の高い雲を会員が発散し、それが類を呼び、アソシエ21につむじ風を発生させた。

（8）アソシエ21を会員の集合として見るのではなく、間主体性としてみると、この間主体性のパワーを増大させていくことが求められていることが解る。

（9）間主体性の熱を上げていくこと、これがアソシエ21の会員の媒介者としての役割である。

（10）熱を上げていくには色々な方法がある。年に何回か集まりを持つのも大切である。しかし、同じレベルの集まりでは長続きしない。そこで問われるのは、何らかの運動に参加している人々が、協同して理論的な思考を始めるということではなかろうか。そうなると、集まりは単なる集まりではなく、ある種の協同主体の現われとしての意義をもつことになろう。

（B）協同主体論の課題

（1）政治を力関係と見ると、服従する側が政治的支配を生産している。

（2）民主主義は制度や法律としての形成の他に、一つの政治的力関係であり、服従する側の行為が、日々、民主主義を再生産している。

（3）民主主義の生産については、京大11月祭レジュメ参照。

（4）協同主体の形成とは、人々の間に新しい社会を形成することである。であるならば、社会形成のルールを人々がわがものとすることが課題。

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Author: admin Published: 2006/1/5 Read 2969 times

第1回レジュメ 生活者と協同主体の形成 2000年4月8日

3）続アソシエ21とは何か アソシエ21という組織について

（A）間主体性の運動体

（B）協同主体論の課題

第1回レジュメ　生活者と協同主体の形成　2000年4月8日

3）続アソシエ21とは何か
アソシエ21という組織について