¡Šï»¿ office-ebara - どうするべきか-21䞖玀の協同組合運動の課題案《第1郚 自然圏の生産ず再生産》
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21䞖玀の協同組合運動の課題案: 21䞖玀の協同組合運動の課題案《第1郚 自然圏の生産ず再生産》
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21䞖玀の協同組合運動の課題案《第1郚 自然圏の生産ず再生産》


《第1郚 自然圏の生産ず再生産》
はじめに
第1章 生物の環境圢成力
 1倧気 2地衚 3氎
第2章 物質の埪環
 はじめに 1炭玠 2窒玠 3硫黄
第3章 生物圏での埪環
 1生態系ず食物連鎖 2生物䜓内での埪環 3埪環の撹乱のメカニズム

《第2郚 人間圏の生産ず再生産》
第1章 人間瀟䌚の環境砎壊力
 1自然圏の内郚での人間圏の圢成 2人間圏圢成の新たな段階 3人間圏による環境砎壊の目録
第2章 人間圏での埪環
 1賃劎働の圢成ず普及 2䟡倀の埪環 3䟡倀の埪環の問題点
第3章 グロヌバル経枈の問題点
 1グロヌバルな経枈ずは 2グロヌバルな経枈の問題点 3グロヌバルな経枈ずの察抗 4生掻者の欲求を声にしよう
第4章 協同組合運動の課題
 1問題解決型の運動 2消費が生産を遞択する 3賃劎働に代わるもう䞀぀の働き方 4信甚制床に代わる支払決枈システムの共同化

はじめに


 遺䌝子組み換え䜜物・食品に反察する運動に取り組むなかで、私たちは、遺䌝物質がDNAであるこずを知りたした。そしお遺䌝情報がDNAに存圚する四皮類の塩基の配列によっお決たるずいう法則が、りむルスからヒトたで基本的には同じであり、どんな生物も共通の遺䌝情報をもっおいるこずを理解したした。
 埓来、生物は、私たちの県に芋えない埮生物、そしお、怍物ず動物ずいうように分類され、生態孊では、生産者怍物、消費者動物、分解者埮生物ずいうように、その生掻䞊のちがいを教えおきたした。それは、それぞれ異なる生物が、異なる圹割をはたすこずで1぀の生態系をなしおいるこずを明らかにするものでした。しかし、遺䌝子を怍物や動物に組み蟌む遺䌝子組み換えは、党おの生物の根源的な共通性を実蚌したのでした。
 ぀ぎに、合成化孊物質がごく埮量環境䞭に存圚し、生物の内分泌を撹乱する内分泌撹乱物質ずしお䜜甚するこずが明らかにされたした。いわゆる環境ホルモンを封じ蟌める運動を開始しおいくこずで、私たちは、生呜の生理䜜甚が、非垞に埮劙なバランスの䞊で進行しおいるこずを知りたした。
 いのちに察するいずおしさ、この感芚は、ミクロのレベルの事象を知るこずで、たすたす匷たっおいたす。この感芚からもう䞀床私たちの䞖界を振り返っおみたしょう。

第1章 生物の環境圢成力


1倧気


 地球に぀いおは、生呜誕生埌、ずっず生呜が生存できる環境が維持されおきたこずでもっお、あたかもそれが䞀個の生呜䜓であるずのごずく捉える、地球ガむア説が唱えられたした。でも珟時点で明らかなこずは、地球環境を圢成しおきたひず぀の芁因が、生物の存圚であるこずではないでしょうか。地球自䜓がひず぀の生呜䜓である蚳はなく、むしろ、倚様な生物の盞互䜜甚が、地球にある物質や倪陜光ず結び぀いお、地球環境を圢成維持しおいく芁因ずなっおいるのです。この生物の環境圢成力に泚目しおみたしょう。
 地球には倪陜から゚ネルギヌが光の圢で攟射されおいたす。これは、反射されたり吞収されたりしたすが、生物のいる地球では、怍物による光合成が行われ、二酞化炭玠ず氎から有機物ず酞玠が぀くられたす。地球の倧気は、窒玠が78酞玠が21で、二酞化炭玠は0.03です。これに察しお、生呜の存圚の可胜性が信じられた火星は、二酞化炭玠が95、窒玠が2.7、酞玠は0.13にすぎたせん。
 もずもず酞玠は、掻性の匷い元玠で、倧気䞭にあればすぐ他の物質ず化合し酞化させおしたいたす。生物のいない火星の倧気は、化孊的平衡状態にあるず蚀えたす。ずころが地球では、光合成によっお酞玠が倧気䞭に補充され続けおいるので、動物が4億幎にもわたっお生存できるだけの酞玠が倧気䞭にずっず存圚し続けおいるのです。
 ずころで、光合成で぀くられた有機物は、分解すれば、もずの炭酞ガスず氎になりたす。埓っお、怍物が぀くり出した有機物が党お分解されおしたえば、酞玠の増加はありたせん。しかし地球䞊では、光合成された有機物の䞀郚が、分解されずに地䞭に埋没されおいたす。27億幎前から始たったずされおいる光合成、それによっお぀くられた有機物は、地䞭に倧量に埋蔵されおおり、その残りが倧気䞭に攟出されたずみられおいたす。そしお、珟圚の倧気䞭に残された酞玠量は、この間の䜙分の酞玠量の3.4にすぎないず芋積られおいたす。残りの96を超す酞玠は、海域、陞域の酞化に䜿われ、鉄資源などの鉱物資源の鉱床を圢成したり、石炭や石油などの化石ずなったものず考えられおいたす。
 たた、倧気䞭の酞玠の増倧は、地球にオゟン局を着せるこずになりたした。フロンガスがオゟン局に穎をあけるずいうこずで倧問題ずなりたしたが、このオゟン局は倪陜からの玫倖線をカットし、玫倖線に匱い生物が陞䞊で生掻できるようにしたのでした。
 こうしお、過去の生呜掻動の蓄積ずしお圢成されおいる今日の倧気は、枩宀効果によっお、地衚が冷えるのを防ぎ、たた、有害な玫倖線を吞収し、そしお、倧気の埪環によっお、熱ず物質の茞送をし、地䞊に気候を぀くり出しおいたす。

2地衚


 地球は、倧気に囲たれおいたす。そしお、地衚の70は海であり、残り30が陞地ずなっおいたす。そしお、この地衚も、ごくゆっくりした速床ですが移動しおいたす。
 地衚の移動に぀いお統䞀的な説明を䞎えたのは、1960幎前半に説かれたプレヌトテクニクス理論でした。今日では、地衚は、1枚の板ずなっおいるのではなく、移動する巚倧な地殻のプレヌトによっお構成されおおり、それが、地球の䞭心で行われおいる栞分裂の熱によっお溶かされたマントル局の䞭間で、マントル局内の察流や地球の自転運動などの諞力を受けお移動しおいるずいう芋解が支配的になっおいたす。
 地震や火山掻動も、このプレヌトの境界で抌し合う力によっお、䞀方のプレヌトの地衚が、もう䞀方のプレヌトの地衚の䞋に朜り蟌んでいくずきの衝撃や熱の発生から説明されるようになりたした。こうしお、地球の地衚自䜓が、䞍動のものではなく、地球内郚のマントルずの間に埪環しおいるこずが、明らかずなりたした。
 ぀ぎに、陞䞊の岩石に泚目しおみたしょう。陞䞊の岩石は、雚や颚、それに怍物や埮生物の力で、现かく砕かれ、颚化し、そしお、川で流されお平野を圢成し、やがおは海に行きたす。地球䞊での生物の存圚は、この岩石の埪環に倧きな倉化をもたらしたした。それが、土壌の圢成です。土壌は、粘土ず鉱物質ず有機物ずから成っおいたすが、今日の衚土を぀くっおいるものは、埮生物の働きです。普通の畑には、10アヌル圓たり玄700キロの土壌埮生物がいたす。このうち7075をカビ、2025を现菌が占め、ミミズなどの土壌動物は、通垞5以䞋であり、1グラムの土壌圓たりのカビず现菌の個察数に぀いおは、カビで200500メヌトルの菌糞ずなり、现菌で、10億個くらいずなりたす。他方、氎田では、埮少藻類や原生動物が倚く、たた、嫌気性现菌が圧倒的郚分を占め、酞玠を必芁ずするカビは、急激に枛少しおしたいたす。この土壌の䞭の埮生物が、怍物や動物の死骞を分解し、土壌を豊かにしおいきたす。たさに、土壌は、生物が぀くり出したものであり、過去の生呜掻動の蓄積です。この他、サンゎが䜜り出した石灰岩など、生物が盎接぀くり出した岩石もありたす。

3氎


 地球䞊での氎の存圚こそが、生呜の源ずなりたした。地球の倪陜からの距離が、氎の䞉態間の転換を可胜ずしおいたす。金星では、氎は、地衚では氎蒞気ずしおしか存圚できないし、火星では氷ずしおしか存圚できないでしょう。氎の埪環は、生物が存圚しなくおも行われるでしょう。しかし、生物の欠劂で、倧気の組成が化孊的平衡状態ずなり枩宀効果を倱うず、地球は寒冷化し、地衚の氎は党お氷ずなり、今日のような氎の䞉態が地衚で芋られるずいう事態は、倱われるでしょう。この意味で、地衚での氎の䞉態間の埪環は、生物の環境圢成力にもずづいおいたす。
 地球䞊では、氎が、気䜓、液䜓、固䜓ぞず盞互転換しうるこずで、氎の特性を発揮し、さらに、生呜誕生埌は、生呜掻動ずからみあっお、今日の地球環境を成立させおきたした。
 氎の特性ずは、融点ず沞点が他の類䌌の物質に比べ異垞に高く、か぀、この差が倧きいこずです。次に、固䜓の氷の方が氎よりも軜く、氎に浮きたす。たた、枩めにくく、冷めにくく、畜熱性が倧きい。さらに、朜熱が倧きく、䞉態間の倉化による゚ネルギヌの出入りが倧きい。氎が溶ける時に倧量の熱を奪い、氎蒞気になる時にも倧量の熱を奪う。さらに、物質をよく溶かし、光を吞収したす。
 生呜の誕生が海でなされたこず、地球の気候のおだやかさに、生物によっお捕捉された氎が倧きく䜜甚しおいるこず、これらは、氎の特性によりたす。しかし、生呜ず氎ずの芪和性は、これにずどたりたせん。それは、人䜓の65が氎分であるこずずずもに、䜓内での氎分の埪環に瀺されおいたす。人間が1日に分泌する消化液は、8.2リットルに達し、腎臓が濟過する氎分は、170リットルに達しおいたす。これらは、䜓内を埪環しおおり、尿ずしお排出されるものは、1.4リットルにすぎたせん。たた、心臓が送り出す血液は、1日に7.2トンもありたす。たさに、生物ずは、䜓内に氎を埪環させるシステムであるかのようです。

第2章 物質の埪環


はじめに


 倧気ず地衚ず氎、これが環境の䞉぀の土台をなしおいたす。そしお、これらの存圚の様匏は、生物の掻動ず倧きくかかわっおいるこずが明らかずなりたした。次に、この環境の䞉぀の土台を舞台に展開されおいる物質の埪環をたどり、そしお、今日の人類の掻動が、どの皋床の芏暡で、この埪環に䜜甚しおいるかを芋おみたしょう。

1炭玠


 炭玠は、生物䜓の也燥重量の4050を占める最も重芁な元玠です。地球䞊の炭玠の埪環は、䞉぀の領域に分けるこずができたす。たず、最も長い時間をかけお埪環する深局海氎ず岩石圏、次に、土壌圏、そしお、最も短いサむクルで埪環しおいる生物圏です。
 ここでは、生物圏での炭玠の埪環を、二酞化炭玠を軞にしお芋おみたしょう。
 倧気䞭に0.03しか含たれおいない二酞化炭玠も、倧気党䜓の炭玠原子に換算するず6700億トンに達したす。 他方、陞䞊に生息する生物倧郚分が怍物䞭に含たれおいる炭玠の量は、8300億トンに達し、倧気䞭よりも倚い。さらに、陞䞊の生物の遺䜓䞭の炭玠量も7000億トンに達しおいたす。たた、海掋䞭の生物量は、意倖に少なく、炭玠換算で、15億トンほどですが、しかし、ここでは、遺䜓が分解されにくいので、遺䜓の量は、1兆トンに達し、さらに、無機の炭玠が35兆トン以䞊溶け蟌んでいるず考えられおいたす。
 光合成により怍物䜓䞭に固定される炭玠量は、陞䞊では1幎間に1000億トンに達し、倧気䞭の炭玠は、7幎に1回は陞䞊怍物䜓䞭に固定されおいる蚈算になりたす。たた、海掋では、500億トンが光合成によっお固定されおいたす。
 このように、二酞化炭玠は、倧量に固定されおいたすが、他方、怍物が固定した炭玠の半分は、怍物の呌吞で再び、二酞化炭玠ずしお攟出され、たた残りの有機物質の炭玠も埮生物による分解や火事による焌倱等により、倧気䞭に攟出され、ほが぀り合っおいたのです。
 人類の最近の経枈掻動で化石燃料の䜿甚が増倧し、たた、熱垯倚雚林の消倱が進みたした。これは、埓来の炭玠の埪環にどれ䜍の圱響を䞎えおいるでしょうか。芳枬によっお明らかなこずは、倧気䞭の二酞化炭玠の濃床が、急ピッチで増倧しおいるこずです。1970幎から80幎たでの10幎間で、炭玠換算するず、230億トン分倧気䞭に増倧しおいたす。化石燃料の消費が12億トンですから、これでは䞍足したす。
 他方、熱垯倚雚林に぀いおは、1ヘクタヌルが開墟され、耕䜜地に倉わるず、炭玠換算で200トンの炭玠が攟出され、たた二酞化炭玠固定胜力は、幎間7トン䜎䞋したす。毎幎、1700䞇ヘクタヌルの熱垯倚雚林が䌐採されおいるず蚀われおいたすから、これが、耕地に倉えられたずしおも党䜓で34億トンの炭玠が毎幎倧気䞭に攟出される蚈算になり、たた1億トンの炭玠固定胜力の消倱ずなりたす。
 この蚈算では収支が合いたせん。ずいうのも、自然は耇雑で、長期間定垞状態にあった倧気䞭の二酞化炭玠の量が、短期間で急速に増倧しおいった堎合、海域などでの吞収も増倧するからでしょう。海域での吞収が増倧しおいったら、海はどうなるのか、この蟺はただ明らかではありたせん。
 ずたれ、生物圏での炭玠の埪環に人間の掻動が倧きな撹乱芁因ずなっおきおいるこずは明癜です。

2窒玠


 生物圏での物質埪環のうち、人間の掻動が占める割合が䞀番倧きいものは、窒玠の埪環でしょう。倧気䞭の78は窒玠ですが、非垞に安定した気䜓です。これが、窒玠化合物ぞず固定されるすじみちの䞀぀が根粒バクテリアなどの生物による固定で、これが幎間5400䞇トンず芋積られおいたす。あず、倧気䞭でカミナリの゚ネルギヌにずもなう化孊反応で固定された窒玠が雚で地衚に運ばれるものが760䞇トン、火山から噎出されるものが20䞇トンで、この蚈算がなされた1970幎床の工業による窒玠固定量は、3000䞇トンに達しおいたした。
 他方、生物界には、硝酞を窒玠ガスに還元する脱窒玠バクテリアがいお、8300䞇トンが倧気ぞず返されおいるず芋積られおいたす。
 その埌、肥料工業の発達によっお、1975幎には、工業による窒玠固定量が自然界のそれの半分ずなり、そしお2000幎には、1億トンを超えお、ほが等しくなるず予想されおいたす。
 埓来は埪環しおいた窒玠のサむクルは、工業による固定量が増倧するこずで、分解されない窒玠化合物が増倧し、郜垂郚ぞの人工集䞭による生掻廃氎の増倧にずもなっお、河川や湖の富栄逊化をもたらしおいたす。そしお、この窒玠の埪環の歪みが䜕をもたらすのか、ただ十分わかっおいたせん。

3硫黄


 窒玠ず同じく人間掻動が倧きく圱響を䞎えおいるものが、硫黄の埪環です。工業が発達する以前の硫黄の埪環には生物は倧きな圹割を果たしおいたせんでした。
 たず、陞䞊から河川をぞお海に運ばれる分量が1億トン匷、次に、陞や海から倧気に攟出される分量が、陞からは、4000䞇トン、海からは、2億トン、そしお、倧気から陞に降䞋する分量が3200䞇トン、海に降䞋するものが、2億トン、陞地䞊空から海の䞊空ぞ移動するものが、1000䞇トンず芋積られおいたす。
 1980幎代䞭期には、人間は化石燃料や工業原料ずしお、1億5000䞇トンの硫黄を掘り出し、産業廃棄物ずしお9300䞇トンを倧気䞭に、2900䞇トンを氎に流しおいたす。その結果、硫黄の埪環量に倧きな倉化があらわれたした。䞀぀は陞地ぞの降䞋が3倍近く増えたした。たた、陞地䞊空から海の䞊空ぞ運ばれるものは、6倍にもなっおいたす。
 倧気䞭に攟出された硫黄は、硫酞ミストを぀くり、倧気ず雚の酞性化をもたらしたす。ペヌロッパの䞭倮郚では、工業に由来する酞性雚が森林を枯らし、䞀郚の湖に生物が䜏めないようにしたした。

第3章 生物圏での埪環


1生態系ず食物連鎖


 生物を矀れずいう単䜍で芳察する生態孊の芋地からは、生物党䜓が、光合成をする怍物を生産者、動物を消費者、埮生物を分解者、ずいう䞉぀に分類され、そしお、党おの生物が食物連鎖のネットワヌクで぀ながっおいるこずが明らかにされたした。
 原発事故で環境に攟出された人工の攟射性ペり玠や、たた、DDT などの合成蟲薬が埮生物や怍物に吞収され、それを食べた動物が、毒物ず刀断できず、たた、排泄する方法も知らずに䜓内に蓄積し、それらを濃瞮しおいくこずが知られるこずで、食物連鎖は環境問題をずりあげるずきになじみの深いものずなっおいたす。
 さらに、今日では、生物倚様性が泚目されるようになりたした。日本の里山には、杉やヒノキの商品朚材が怍林され、怍生が単玔化されおいたすが、これが、雑朚林ず比べお、生物の皮を著しく枛少させおいるだけでなく、保氎や衚土の維持ずいう点でも欠陥をもち、雪融け時の措氎や、山での地滑りの原因ずなっおいるこずが指摘されおいたす。
 生態系が地球環境に適応し぀぀、地球環境自䜓を぀くり出しおいたすが、しかしそれは、食物連鎖を䞭心ずした埪環に支えられおいたす。埪環は、埮劙なバランスの䞊に成立しおおり、このバランスを厩す芁因が珟れたずきには極めおモロむものです。
 䟋えば、むギリスでは、11䞖玀に導入されたりサギが野性化しお増え぀づけ、䜜物や怍林を食い荒らしおいたした。1953幎にりサギを枛らすため、りィルスが導入され、15幎間ほどりサギがほずんどいない状態が続きたした。するず草原が森に倉わっおいったのです。
 りサギが䞀掃されるずカケスが地面に埋めたドングリから実生のむングリッシュオヌクが育ち、1970幎代半ばには若いむングリッシュオヌクの森林が圢成されたのです。りサギがあたりにも増えすぎたこずで、草原から森林ぞの生態遷移がおしずどめられおいたのでした。
 たた、私たちにおなじみのマルハナバチに぀いお芋おみたしょう。マルハナバチは花から花ぞず枡っお蜜や花粉を集めたすが、その時に怍物は受粉の確立が高くなりたす。お互いに共生しおいるのですが、マルハナバチずすれば4月から11月の間、花暊が途切れない堎所でなければ繁殖できたせん。開発によっお、花暊が途切れおしたえばハチは生存䞍胜ずなりたす。
 人類による、環境砎壊が進むなかで、野生生物の絶滅が急速に増倧しおいたすが、クゞラやバッファロヌのように人に乱獲された動物たちだけでなく、生掻の埪環の茪のどこかを切断されたために、人知れず地球䞊から姿を消した生物皮が増えおいっおいるのです。

2生物䜓内での埪環


1DNAの耇補機胜


 個々の生物は、倚くの皮に分かれおおり、そしお、同皮の個䜓も皆それぞれ異なっおいたす。ずころが、アメヌバのような単现胞の生物も、人間のような兆の桁の现胞をも぀生物にも共通なこずは、いずれも1個の现胞から発生しおいるずいうこずです。
 人間の堎合も、最初の受粟卵のなかに、それが现胞分裂をしお分化し、胎児からやがお出産によっお母䜓から出おき、成長しお倧人になるたでの现胞の分化ず、個䜓ずしおの恒垞性の維持に぀いおの必芁な情報が党お含たれおいなければなりたせん。
 メンデルが、1866幎、生物に芋られる遺䌝の法則を明らかにし、それを぀かさどる因子埌に、遺䌝子ず名づけられるの存圚を明らかにしたずき、それは想像䞊のもので、物質ずしお特定されたものではありたせんでした。その埌、技術の発達による枬定機噚の進歩によっお、人間が五感で知れる範囲が拡倧し、埓来芋えなかったミクロの領域が芳察できるようになり、1900幎頃には、现胞分裂の際に色玠によく染たる染色䜓ず遺䌝子ずの関連が明らかにされたした。でもただこの染色䜓がどのような物質から成るかは䞍明のたたでした。1944幎に、オズワルド・アベリヌが、染色䜓がDNAから成るこずを発衚したしたが、圓時は䞀般に受け入れられず、やっず8幎埌の1952幎のハヌシヌらの実隓によっお、孊界の定説になりたした。
 埓来遺䌝子ずしおの力をも぀物質はタンパク質であるず信じられ、DNAは、1869幎にミヌシャヌによっお発芋されおいながらも、それを遺䌝子ず結び぀ける研究者は出珟したせんでした。しかし、孊界の定説になった1幎埌の1953幎4月、ワト゜ンずクリックが、DNAの二重らせん構造の仮説を提出したこずで、その埌のDNA研究の爆発的な発展が始たったのでした。ワト゜ンずクリックのモデルはDNAの耇補の機構を瀺唆しおいたした。DNAは、若干の䟋倖はありたすが、党おの现胞に含たれおいたす。䟋倖である赀血球には含たれおいたせんが、そのかわり、赀血球は、増殖できたせん。最初は1個の现胞から増殖し、分化しおきた生物の现胞は、いずれも、最初の现胞のDNAの耇補をもっおいるこずで、DNAで瀺されおいる情報が党おの増殖可胜な现胞にゆきわたっおいるこずが刀明したこず、ここに、生物の発生ず遺䌝の仕組を解明しおいく決定的な地平が切り開かれたのでした。

2DNAずタンパク質の生成


 怍物は、接ぎ朚や挿し朚ができたすが、バむオテクノロゞヌの発達で、成䜓のどの现胞からでも党䜓を再生できるようになりたした。これに察し動物の堎合、成䜓の现胞は自分自身の再生は可胜ですが、分化しおもずの動物を぀くるたでにはいたりたせん。
 この现胞の分化はタンパク質の皮類のちがいにもずづいおおり、そのちがいは、DNAの塩基の䞊びのちがいからきおいたす。クリックのセントラルドグマによれば、现胞内でのタンパク質の生産は、たず、DNAの情報4皮の塩基の䞊びがRNAに写し取られ、このRNAの情報がタンパク質のちがいを䜜り出すアミノ酞の配列情報に翻蚳され、现胞内に存圚しおいるアミノ酞の独特の配列が぀くりだされお、特定のタンパク質が生成されたす。
 こうしおDNAは、自己を耇補し、自己増殖しおいくずずもに、RNAを仲立ちにしお、酵玠やホルモンを含む倚皮倚様なタンパク質を最適状態で぀くりだすこずで现胞分化を成功させ、生物を䞀個の现胞から成䜓にたで生長させるだけでなく、たえず现胞を再生させおいくこずで生物の恒垞性を保障しおいるのです。

3ホルモンず神経系ず免疫


 DNAの二重らせん構造のモデルの提唱は、すでに述べたように、生物の発生ず遺䌝に぀いおの研究に新しい知芋をもたらし、たた、分子生物孊ずバむオテクノロゞヌを急速に発達させたした。しかし、その知識は、察象を切り刻んで分析するずいう科孊の方法にもずづくもので、生呜をトヌタルに捉える、ずいう点では限界がありたした。
 そこで、今日では、生呜をトヌタルに捉えようずいうこずで、䞀぀は、生呜の誕生からの歎史をたどる方向性が出され、もう䞀぀は、现胞総䜓ずしおの生呜䜓の働きを明らかにしようずする方向性が出されおいたす。
 個䜓ずしおの生物の生呜䜓ずしおの特城は、恒垞性の維持ずいうこずです。倖界から食物や空気などの物質を取り蟌み、消化吞収しお、排泄する生物の新陳代謝は、個々の組織や噚官を働かせるこずによっおなしずげられおいたすが、動物の堎合、その調節は、神経やホルモンや免疫によっおなされおいたす。
 ホルモンは、现胞倖からの信号であっお、ホルモンを分泌する組織现胞は遠く離れた臓噚の暙的现胞に信号を送り、その现胞の性質を倉化させたす。现胞衚面にはアンテナの圹割を持぀レセプタヌ分子が林立し倖郚からの信号を受けずめたす。ホルモンの皮類は、哺乳類では50皮類ほど明らかにされおいたすが、特定のレセプタヌ分子には特定のホルモンが結合したす。受信䜓であるレセプタヌはホルモンず結合するず性質が瞬時に倉化し、その結果レセプタヌやその近くにある別のタンパク質の掻性に倉化を起こさせたす。
 ホルモンの働きには、よく、盞互䜜甚がみられ、フィヌドバック機構ず呌ばれる調節䜜甚が存圚しおいたす。䟋えば、血液䞭の血糖量の調節は、ホルモンず神経ずが協調しお行っおいたす。食事の埌、消化が進んで血糖量が増倧するず自埋神経である副亀感神経の䞀぀に刺激が䌝わり、膵臓からむンシュリンずいうホルモンの分泌を促進させたす。むンシュリンは现胞のむンシュリンレセプタヌず結び぀き、现胞内で糖からグリコヌゲン合成が進み、その結果、血糖が枛少したす。他方、血糖倀が䞋がりすぎるず、亀感神経が副腎髄質を刺激し、アドレナリンずいうホルモンの分泌を促進させたす。アドレナリンは、肝臓现胞に働きかけお、グリコヌゲンをブドり糖に分解させお血液䞭に出させ血糖量を増倧させたす。

 このように、生物䜓の恒垞性は神経ずホルモンによるフィヌドバック機構ずしおあらわれおいる埪環に䞎えられおいるのですが、この现胞のレセプタヌにホルモンずは別の、人間が合成した化孊物質がずり぀き、このフィヌドバック機構のなかでの埪環を撹乱するものが環境ホルモンでした。
 免疫の働きは、臓噚移怍の際の拒絶反応や、たた、゚むズ・りむルスによる免疫力䜎䞋などで広く知られるようになりたした。免疫ずは、倖郚から䜓内に䟵入しおくる異物を認識し、速やかにこれず反応しお、効果的に排陀する生䜓防埡のこずです。
 免疫を぀かさどる现胞は、癜血球の䞭のマクロファヌゞ貪食现胞ずリンパ球で、マクロファヌゞはアメヌバヌのような现胞で、现菌などを现胞内に取蟌んで消化しおしたいたす。リンパ球のうち、胞腺ずいう噚官にずどたっお成熟した埌、䜓内をめぐるようになった现胞はT现胞、胞腺を経由せずに成熟したものはB现胞ずよばれおいたす。B现胞は䜓内に入った異物ず特異的に反応するタンパク質を抗䜓遺䌝子に぀くらせたす。抗䜓を぀くらせる異物は倚くはタンパク質抗原ず呌ばれたすが、抗䜓は抗原ず結合しお集合䜓を぀くり、これにマクロファヌゞが集たっお消化するこずで異物を排陀するのです。他方、T现胞の方は、抗原を認識するず増殖しおB现胞を掻性化させたす。
 この免疫の仕組みは非垞に敏感で、MHC䞻芁組織適合抗原遺䌝子が䌌おいなければ、臓噚移怍の際に激しい拒絶反応が起きるこずが知られおいたす。たた、゚むズ・りむルスは、T现胞に入り蟌みT现胞にりむルスを぀くらせ、最埌に现胞を死なせたす。そしお増殖したりむルスは、他のT现胞に取り぀き、順次T现胞を枛らしおいくこずで免疫力を䜎䞋させおいくのです。
 たた、最近急速に増倧しおいるアトピヌ性皮膚炎は、ただ原因が突き止められおいるわけではありたせんが、免疫の仕組みの狂いによっお発症しおいるこずは確認されおいたす。

3埪環の撹乱のメカニズム


 生物の自己増殖ず恒垞性、この仕組が、DNAのレベルから解明されおいくこずで、いわゆる、環境問題が、生呜の根源であるDNAを傷぀け、生物䜓内での埪環を撹乱しおいるこずが明らかずなっおきたした。
 20䞖玀に入っお人類は原爆の投䞋や原氎爆実隓、そしお、原発などから倧量の人工攟射性物質を環境䞭に排出したした。たた、蟲薬や食品添加物や合成掗剀やプラスチックなどの合成化孊物質を倧量に生産し、消費し、廃棄しおきたした。その䞊に、遺䌝子組み換え食品も加わっおいたす。
 これらは、埓来自然界にはたったく存圚しなかったものですから、生物には遭遇する機䌚はなく、これらに察する防埡機胜をたったくもっおいなかったのです。DNAを傷぀ける物質に぀いおは倉異原性や発癌性のテストで調べられたす。倉異原には、物理的倉異原ず化孊的倉異原ずがありたすが、倉異原が䜜甚するこずで、DNAの鎖が切れたり、特定の塩基に䜜甚しお塩基察を倉えおしたったり、DNAを䞍安定な状態にするものなどさたざたですが、こうした䜜甚の結果ずしお、遺䌝情報が倉わっお、さたざたな突然倉異を生じるこずになりたす。これが、ガンを誘発する原因ずなりたす。
 原発の事故で倧量に廃出される人工攟射性物質、ペり玠131は、生物によっお急速に䜓内にずりこたれ、人間の堎合は食物連鎖で濃瞮されたものを甲状腺にため蟌み、䜓内被爆を受け続けおDNAを傷぀け、ガンを誘発するこずが問題にされおいたす。自然界にも倩然の攟射性物質が存圚したすが、生物はそれに適応し、䜓内に取蟌たないようにしおきたした。ずころが、倩然のペり玠は100非攟射性のものであり、しかも、環境䞭には皀少のため、生物はすばやくずりいれお、䜓内にためおしたしたす。生物にずっおは、ペり玠131ず倩然のペり玠ずを分別するすべは持っおいたせんから、原発事故の際には、攟出されたペり玠131が空気䞭から怍物䜓内に200䞇ないし1000䞇倍にも高濃瞮され、それはたた、その怍物を食べた家畜を通しお、人間が取蟌むこずになるのです。
 合成化孊物質を぀くりだす化孊工業の堎合、埓来塩玠を始めずするハロゲン族の元玠を倚甚しおきおいたす。ハロゲン族は反応速床が速く、色々な皮類の化孊物質が補造可胜であり、出来たものは安定で、しかもコストが安いのです。ダむオキシンやトリハロメタンで瀺されおいるように、有機化合物に塩玠が取り぀くず猛毒をもち、たた環境ホルモンずしお䜜甚する物質になりたす。
 原発はもう増やさない、化孊工業はずりあえずハロゲン族䟝存の䜓質をあらためる、こうした産業政策が進められねばなりたせん。

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Author: admin Published: 2006/1/5 Read 4265 times   Printer Friendly Page Tell a Friend