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資料3.生産者協同組合サポートセンター準備会設立総会議案書（抄）

経過報告

1）経過

（1）昨年末から、ニュースタート・サポーター会議の運営について、どのようにしていくかが議論となっており、とりあえず、2002年6月に総会を開いて、そこで新しく組織の運営について提案しよう、ということになった。

（2）2002年に入って、総会の準備のための準備会を設置することになり、従来、月1回、例会の前に開いていたサポーター会議を取り止め、総会準備会を、月1回のペースで開催し、6月総会の準備をすることになった。

（3）第1回準備会2月10日
　西嶋より、若者の「社会参加」の契機作り、「自立化」支援のための新規事業の提案と、（半）専従者を維持するために活動の経済的基盤を確立する方向性が出された。

（4）第2回準備会3月10日
　提案された文書
　「サポーター会議…各位3.10付西嶋」
　「サポーター会議総会準備会への報告境」
　西嶋文書にもとづき「もう一つの働き方」により運営されるワーカーズ・コレクティブを選択することが確認される。境より、ワーカーズ・コレクティブとは何か、どのようにして設立するか、について報告があった。

（5）第3回準備会4月14日
　提案された文書
　「サポーター会議の新たな発展にむけて西嶋」
　「生産者協同組合サポートセンター（仮称）設立にむけて境」
　西嶋文書を確認し、ワーカーズ・コレクティブの設立にむけてどうするかが議論になる。境の方から、個別のワーカーズ・コレクティブをつくるには、それをサポートする団体の発足をセットにした方がよい、という意見が出される。

（6）第4回準備会5月12日
　提案された文書
　「生産者協同組合サポートセンターの構想についての覚書境」
　「6月総会にむけて境」
　境より、覚書きが出される。これについては、将来方向としては異議はないが、現状との接点が不十分という意見が出された。

（7）臨時懇談会と研修会6月1日
　提出された文書
　「サポートセンター準備会議案書（たたき台）境」
　臨時懇談会で、農園ワーカーズ結成を確認。午後行われた研修会で、サポートセンター趣意書（案）、活動方針等について議論。活動方針についてはもっと具体化すべきという意見が出された。

（8）第5回準備会6月9日
　提出された文書
　「サポートセンター準備会設立総会議案書」
　議案書を検討、若干の修正を行う。当日の議事進行の確認、役割分担、役員の立候補者を募る。

（9）以上の経過で明らかなように、第3回準備会で西嶋の方から、サポーター会議ならびにニュースタート関西の事業活動の一部分を生産者協同組合方式でやっていこうという提案があり、これを受ける形で、第4回準備会で、生産者協同組合サポートセンターの構想が提案され、以降はこの線での準備活動が進んでいる。

2）サポートセンターとは何か

（1）境の構想は、長期的なものであり、サポーター会議やニュースタート事務局関西の事業の現状とどう繋げていくかが今後の課題として残されていた。現状を踏まえて、サポートセンターのイメージを描くことが問われていた。

（2）サポートセンターのイメージ
（目的）サポートセンターは、生産者協同組合の組合員や、また、生産者協同組合のもとで新しい働き方を求めている人々や、さらには、生産者協同組合の設立や運営をサポートしていきたい人たちが主体となって、力を合わせ、足りないところを補いあうことで、生産者協同組合の事業と運動の拡大をめざすことを目的とします。

（会員）会員が主人公の組織です。サポートセンターは、会員が主人公として活動できるような組織運営をつくり出します。

（事業）会員は、サポートできること、サポートしてほしい事を文書で提出し、サポートセンターは、このメニューに基づいて、会員間の相互扶助を実現できるシステムをつくります。

3）議案書について

　さきに述べたイメージをもとに、定款（案）をつくってみました。下敷きにしたものは協同総合研究所の定款で、第5条までは書き換えましたが、あとはほとんどそのままです。
　趣意書も必要です。準備段階では、定款よりも趣意書の方が大切です。とりあえず、たたき台を用意しますので、何回も議論して、納得のいくものにしていく必要があります。皆が自分で趣意書を書いてくれた方が、盛り上がるし、ずっと良いものが作れます。この案を呼び水にして下さい。
　準備会活動方針は、長期構想は省き、身近なものとしました。

生産者協同組合サポートセンター趣意書（案）

　20世紀後半の高度経済成長を支え、担ってきたシステムが1990年代に入って制度疲労を起こしはじめました。
　学校、株式会社、行政機関、この三つがセットになって、今日の日本をつくりあげてきたのですが、経済の高度成長が望めなくなった現在、株式会社は生き残りをかけてリストラを続け、行政機関は日本経済の地盤沈下に対応できず、政治家たちはなすすべもなく、国会の審議は、ワイドショー化しています。
　従来のシステムが制度疲労を起こしているにもかかわらず、それに代わるシステムはいまだ形成途上にあり、多くの人々が生きがいを感じることが出来ないまま、フリーターやリストラされた失業者として、制度疲労の被害者にされています。
　従来のシステムがきちんと機能していた限り、人々は自己責任を負い、他人に迷惑をかけずに生きていくことが可能でした。学校を出て会社員や公務員になり、停年まで勤め上げたときには次世代を育て上げ、あとの老後は年金で悠々と暮らしていける、という人生のコースも、短期間のこととはいえ、揺るぎのないものでした。
　ところが今日、このような人生のコースを選ぼうと思っても、ほとんど無理になりました。何よりも、株式会社自体の寿命が短くなり、一生面倒見てもらえるような余裕がなくなってきています。
　こうしてNPOやNGOの活動が行政によって評価され始め、行政は行政サービスの一部の代行を期待するようになってきました。しかしながら、活動が有償無償のボランティア活動に支えられているようでは、一時的には続くものの、代替システムにはなり得ません。
　ではどうすればいいのでしょうか。その答えは、従来のシステムによって経済の高度成長が成し遂げられたことの裏面を見るところから導き出されてくるのではないでしょうか。この間進行した事態は、かっては地域の人間関係に支えられた農民や自営業者が、企業に雇われて働くようになったことで、地域の人間関係を失い、生産のために必要な財も失い、多少の貯金や住宅はあるものの、もはや昔の自営業に戻れなくされていることです。つまり個人（個別家族）は昔に比べれば、生産者としては丸裸にされてしまっていて、雇われて働く以外の道がなくなっているのです。にもかかわらず、若者でも適当な就職口は見つからないし、ましてやリストラされると再就職は容易なことではありません。
　結局自己責任や他人に迷惑をかけない生き方が続けられなくなっています。そうだとすると、同じ境遇の人たちがお互いに迷惑をかけ合いながら、出資して協同の事業を始めることしか、生きる道は開かれていないのではないでしょうか。雇われて働くこととは別のもう一つの働き方を作り出していくことで、従来のシステムに代わるもう一つのシステムを形成していけるのではないでしょうか。
　私たちはこのような思いにもとづいて、生産者協同組合サポートセンターの設立を決意いたしました。多くの人たちの賛同と協働を呼びかけます。

準備会活動方針

（1）日常活動

■「出来ること」「してほしいこと」の登録

　日常活動の中心を、会員が相互に求めているものを結びつけることにおきます。ワーカーズ・コレクティブを発足させたいが、人が足りない、資金がたりない、どのようにして発足させたら良いかわからない、といった現状があります。この現状は、誰かに頼っていては好転しません。ワーカーズ・コレクティブをつくりたい、あるいは、支援したい、と考えている人たちが、自主的にサポートし合い、仲間を見つけ、出資者を見つけ、発足の仕方も学び合っていくことが問われているのです。
　準備会では、この問題を解決するために、会員が、ワーカーズ・コレクティブを設立し、運営していく上での「出来ること」「してほしいこと」を登録して、相互に助け合えるようにします。

■ワーカーズ・コレクティブ設立のサポート

　現在複数の事業所でワーカーズ・コレクティブ設立の準備が進んでいます。準備会では、設立の手続きについてのマニュアルを準備しています。会員が相互にサポートし合うことを前提に、設立準備について必要なサポートを行います。

■ワーカーズ・コレクティブ運営のサポート

　準備会のもとで設立されたワーカーズ・コレクティブに対しては、運営の面で必要なサポートを行います。

■双方向の会報の発行

　会員自身が「出来ること」「してほしいこと」を登録するだけでなく、日常的な発言の場を保障するため会報を発行します。会報の運営主体は、発言する会員です。

（2）設立準備活動

■正式発足の見通し

　6ヶ月後に会員100名を達成し、正式発足をめざします。

■ワーカーズ・コレクティブの設立

　正式発足時には、複数のワーカーズ・コレクティブを設立します。

■法人格について

　法人格の取得については、生産者協同組合は任意団体なので、NPO法人格の取得についても考慮します。

生産者協同組合サポートセンター準備会会則

I.総則

（目的）

1.この会は、世話人の呼びかけによって賛成者を募り、生産者協同組合サポートセンター設立を準備することを目的とする。

（名称）

2.この会の名称を生産者協同組合サポートセンター準備会とする。

（活動）

3.この会は、目的を達成するために必要なあらゆる活動を行う。

（事務所の所在地）

4.この会は、主な事務所を高槻市内におく。

II.会員

（会員）

5.賛成者のうち、所定の基金を払い込み、所定の年会費を収める者を会員とする。

（会員の活動）

6.会員は生産者協同組合（ワーカーズ・コレクティブ）を設立し、運営する活動を自主的に行う。
（2）会員は各種委員会に参加して活動することができる。
（3）会員はこの会の活動方針や委員会の新設などについて提案することができる。
（4）会員は総会において世話人を選出し、次期総会までのこの会の活動の統括に当たらせる。

（基金）

7.基金は、一口5,000円とし、一括納入するものとする。
（2）基金はサポートセンター設立時に出資金に振り替えるものとする。
（3）脱会時には基金を返却する。

（会費）

8.年会費は一口1万円とする。

III.委員会

（委員会）

9.この会に委員会を設ける。

（委員会の設立）

10.委員会の設立は会員の発議にもとづく。

（委員の自薦）

11.委員は、会員が自薦で、委員会に加わる。

IV.総会

（総会の設置）

12.この会の最高決定機関として総会を設ける。
（2）総会は会員の二分の一の出席により、成立する。
（3）出席できない会員は、総会議長に委任状を提出することにより、出席者とみなされる。

（役員の選出）

13.総会で世話人十名以上及び監事二名を選出する。
（2）この会の専従者は世話人の資格を有する。

（総会の開催）

14.総会は以下の場合に代表世話人が招集する。
（1）毎事業年度終了後二ヶ月以内
（2）会員の五分の一、あるいは世話人の三分の一の請求があった場合。
（3）代表世話人が必要と認めた場合。

V.世話人会

（世話人会）

15.世話人会はこの会を代表する代表世話人（一名）、副代表世話人（三名）、運営委員長（一名）を選出する。
（2）世話人会は、世話人を補充することができる。

（世話人会の活動）

16.世話人会は、次期総会までの間、この会の最高決定機関であり、この会の日常業務を統括する。

VI.解散

（解散）

17.この会は、総会の議決による場合のほか、次の事由によって解散する。
（1）生産者協同組合サポートセンター設立のとき
（2）目的が達成されないとき

附則

1.この会の事業年度は、原則、暦年とする。（一月一日から十二月三一日）但し、初年度は、二〇〇二年六月二二日から二〇〇二年一二月三一日とする。事業年度中途に於て準備会を解散した場合、その解散日をもって事業の終了日とする。

2.この会則は、設立の日から実施する。

Date: 2006/1/5
Section: 研修会こぼれ話
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