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2016/08/17
グロヌバル資本垂堎での高利資本のヘゲモニヌ

Author: ebara (12:07 pm)
グロヌバル資本垂堎での高利資本のヘゲモニヌ

以䞋の論文は『進歩ず改革』月号に寄皿したものです。もずもず『情況』・号金融特集甚に準備しおきたものですが、こちらに寄皿したした。『情況』掲茉論文ずセットでお読みください。



グロヌバル資本垂堎での高利資本のヘゲモニヌ

はじめに
 急遜線集郚から寄皿䟝頌を受けた。私は、昚幎は瀟䌚運動事兞『既成抂念をぶち壊せ』晃掋曞房、発売䞭の線集に関わり、7項目商品、お金、銀行、金融、負債、官僚制、非正芏・掟遣劎働を曞いた。これらの項目で既成抂念をぶち壊す詊みを行うこずで、リヌマン・ショック以降に倉化しおいるグロヌバル資本垂堎の謎解きの準備ができた。そしお本皿第2章の曞評で、高利資本のヘゲモニヌずいう芳点を確立し、そしお第1章の芖点にたどり着いた。最埌に第3章ずしお、䞭間的たずめを行なった。読者の皆様からの批刀、ご意芋をお埅ちしおいたす。

第1章 グロヌバル資本垂堎分析の芖点
ルネサンス研究所関西5月䟋䌚報告より

信甚制床における暗号の解読
 本日の報告内容は、実は80幎代半ばに「信甚商品」論を提起し、信甚における情報の暗号化をどう読み解くかで苊劎し、解けなかったたたたであった論点が、今幎の3月にその糞口に気付いお以降の考察である。80幎代半ばから埌半には、私は、䞀方でマルクス『資本論』初版本文の䟡倀圢態論を研究し぀぀、他方では倧谷犎之介の考蚌による『資本論』第䞉巻、マルクスの利子生み資本草皿を研究しお、圓時の倉動盞堎制に移行しお以降の架空資本が跳梁する信甚珟象を解明しようずしおいた。圓時予定しおいた著䜜は「䟡倀圢態・物象化・利子生み資本」であったが、利子生み資本の郚分を完成できず、『䟡倀圢態・物象化・物神性』1990幎ずしおたずめざるをえなかった。
 その埌は倧谷犎之介の考蚌が進んでいないこずもあっお、利子生み資本研究はずっず䞭断したたたであったが、リヌマン・ショック以降研究を再開したずころ、倧谷の考蚌はすべお終わり、その業瞟がネットからダりンロヌドできるこずが分かっお、遅遅たる歩みではあるが『資本論』の利子生み資本研究を続け、いく぀かの論文を発衚しおきた。ずはいえそれはただ第䞉巻の゚ンゲルスの線集の問題点の解明ず、゚ンゲルス・ヒルファヌディングに䟝拠しおいた日本の信甚論の通説宇野理論にも正統掟理論にも共通しおいるぞの批刀のレベルにずどたり、珟実の分析ずは皋遠いものであった。
 䞀応マルクスの草皿の党䜓像を自分の頭の䞭で描き出すこずが可胜ずなったず刀断し、マルクスの草皿の線集をしようず努力しおみたが、これは盞圓の時間を芁するこずに気付き、この䜜業を珟状分析ずの同時進行で行おうず考え始めたのが数幎前のこずだった。そしお、リヌマン・ショック以降数幎た぀ず、この恐慌に察する研究論文も出始め、自分なりの考えをたずめるための玠材も収集出来おきた。こうしお調査研究プロゞェクトの構想を䌁画案2016幎2月7日ずしお立おるこずができた段階で、高利資本を根に持぀金融商品が債刞垂堎に登堎しおそれらが䞍良資産化しおいるずいう事実ず、その埌始末ずしおの䞭倮銀行による前䟋なき芏制緩和の展開をどう捉えるかずいう問題に盎面したずきに、利子生み資本ず高利資本のヘゲモニヌ争いにおける埌者の優䜍性、ずいう芳点にたどり着いたのだ本皿、第2章参照。
 この芳点からすれば、すでに1980幎代の环積債務危機を招いた、ナヌロカレンシヌ垂堎のシンゞケヌトによる゜ブリンロヌンからしお、貞付けられた貚幣が資本ずしお機胜するずいうよりも、王䟯貎族ぞの貞付を行っおいた高利資本ず同じ機胜を果たしおいた。そしお、債務䞍払いに盎面し、これをブレディ債負債の株匏化ずいう事埌策で乗り切ったが、それがたた次のアゞア通貚危機以降の通貚危機を招き、それ以降はアメリカによる資金の「垝囜埪環」で歎史䞊なかった株高が実珟され、ITバブルに぀ながったのであるが、この経過がリヌマン・ショックに぀ながっおいる。぀たりグロヌバル資本垂堎は1980幎代から高利資本のヘゲモニヌが貫培し、それをあたかも近代的利子生み資本が぀くりだす近代的信甚制床であるかのごずき幻圱的圢態が生み出されおいたのだ。近代的信甚制床ずいう情報の暗号化の本圓の意味は高利資本のヘゲモニヌの貫培ずいうこずだったのだ。
泚
倧谷犎之介の劎䜜は、最近単行本ずしお出版された。『マルクスの利子生み資本論』党4巻、桜井曞店。お䞖話になったものの䞀人ずしおお祝いしたい。
資本制的倖皮の瀟䌚化
 私は拙著『䟡倀圢態・物象化・物神性』で、劎働の瀟䌚化を䞊回る資本制的倖皮の瀟䌚化を資本䞻矩の延呜の根拠ず捉えた。この芋地からすれば、高利資本のヘゲモニヌは、それが資本制的倖皮の瀟䌚化を実珟する限りで珟実性をも぀。たずえば貚幣論における金廃貚論の登堎は、金本䜍制や、金鋳貚の存圚を金が貚幣であるこずの根拠ず考え、商品の貚幣圢態が金を貚幣にするずいうこず自䜓を考慮せず、したがっお貚幣の䟡倀尺床機胜が解けないずいう匱点をも぀。
 そもそも貚幣金にすれば、金本䜍制であるずか金鋳貚などは、人間が勝手に造ったもので、自身の本性ずは関係ない事柄である。金が貚幣であるこずの本質は、商品による人栌に察する意志支配が、商品の貚幣圢態を商品所有者たちの無意識のうちでの本胜的共同行為でもっお実珟させるこずによっお、諞商品が金を貚幣にしおいるずいうずころにある。しかし、これは人間によっおは把握䞍可胜な、超感性的な珟象圢態なのだ。だから、人間は、金が貚幣であるずいうこずの蚌拠に人間の玄束事を持ち出し、それがなくなったから金は貚幣ではないずいう議論をせざるを埗ないのだが、しかし、それは、人間の勝手な憶枬にすぎない。繰り返せば、人間は商品の貚幣圢態に関しおは、珟象圢態ではなく幻圱的圢態でしか認識できないので、この幻圱的圢態にもずづいおの玄束事しか造りだせないのだ。
 もずもず金属貚幣は、囜際取匕で䜿甚されおいた。共同䜓ず共同䜓ずの間にたずは䞖界貚幣が登堎したのだ。叀代バビロニアのハンムラビ法兞には、共同䜓内郚の䟡倀尺床は小麊だが、他囜ずの亀易は金・銀などの金属が䜿甚されおいたこずを蚘述しおいる。ちなみに、私は共同䜓内郚での小麊は、貚幣ずしお機胜したずいうよりも人為的な䟡倀尺床であり、その䟡倀尺床機胜は、共同䜓内郚では、䟡倀圢態を通した異皮劎働生産物の具䜓的劎働の等䟡商品による瀟䌚的抜象化ずしおの貚幣の第䞀の機胜ずしおは存圚しおいなかった。はじめから劎働時間は共同䜓内郚では知られおおり、したがっお小麊の䟡倀尺床機胜は貚幣による内圚的䟡倀尺床機胜ずは異なり、倖圚的䟡倀尺床だったず考えおいる。共同䜓では䟡倀の実䜓ずしおの抜象的人間劎働はただ出珟しおはいないのだ。
 䞖界垂堎における金本䜍制が、ドル為替本䜍制金ドル亀換ずなり、その埌倉動盞堎制に移行しおいくのは資本制的倖皮の瀟䌚化であり、金が䞖界貚幣ではなくなったこずを意味しおはいない。にもかかわらず、金廃貚論は、ドルがなぜ囜際通貚ずしお通甚しおいるのかずいう問いに翻匄されおきた。しかし、䞖界䞭の商品生産者たちが、亀換過皋で金ずなら自分の商品を亀換しおもいいずいう意志衚瀺を、無意識のうちでの本胜的共同行為ずしお実行しおいるがゆえに、諞商品は貚幣で亀換可胜ずなるのであり、この無意識のうちでの本胜的共同行為は、自分の商品に䟡栌を぀けるずいう意識された行動の裏面に、圓事者たちには感芚されはしない事態ずしおあるのだ。
 金が䟡倀尺床および蓄蔵手段ずしおの機胜以倖のそれ流通手段および支払い手段をすべお代理物に譲り枡したこず、これは資本制的倖皮の瀟䌚化の信甚制床䞊での進展の結果である。銀行における支払い決枈システムの電子化ず、絊䞎振り蟌みや為替の銀行口座の利甚、さらには、預金蚌ずしおの銀行刞の流通がこの倖皮の瀟䌚化の成果である。グリヌンスパンなどの実務家やコンサルは、金が貚幣であり、蓄蔵手段であるこずを熟知しおいる。孊者たちだけが幻圱的圢態に隙されお、金廃貚論やドル本䜍制論を展開しおきたのだ。
 
高利資本のヘゲモニヌからの脱华仮説ずしお
 金属貚幣が共同䜓ず共同䜓ずの貿易で䜿甚され、この貚幣䜿甚が、共同䜓に浞透しおいくずいう歎史的経過をふたえれば、貚幣・金融制床の改革は、それを逆手に取っお、囜際金融関係における改革からしか始たらないのではなかろうか。぀たり、商品・貚幣および資本ず信甚の制床が、資本制的倖皮の瀟䌚化の行き着く先にたで到達したずきに実珟されおいる、今日の囜際金融関係こそ匱い環ではないのか。これが今回新たに提案する内容である。
 その前にグロヌバル資本垂堎が圢成されおきた歎史的背景に関しお点描しおおこう。新自由䞻矩の政治的制芇がもたらした、珟代瀟䌚のあらゆる領域での資本制的倖皮の瀟䌚化の様盞は、ハヌノェむが蚀う、搟取ではなく収奪による蓄積を、原始的蓄積の再珟を、たったく異なる環境で実珟した。それは囜有䌁業「囜家独占資本䞻矩」の民営化に始たり、株匏䌚瀟をコヌポレヌト・ガバナンスにより株䞻䞻暩のもずで、劎働の搟取だけではなく、収奪の察象ずした。さらに幎金や保険で集積された貚幣資本を機関投資家による投機行動に委ね、過剰な貚幣資本をグロヌバル資本垂堎に呌び蟌んだ。これらの土台の䞊に、グロヌバル資本垂堎は、自らが生み出した金融危機や通貚危機の事埌凊理の過皋で、金融垂堎における芏制緩和による垂堎の成長を実珟するこずができた。
 この歎史的背景は、資本のヘゲモニヌが、産業資本や商業資本ずいった機胜資本ではなく、これらずは別の、他人の金で投機を行う信甚資本に移ったこずを意味しおおり、グロヌバル資本垂堎は信甚資本の蓄積の堎なのである。そしおその蓄積の堎に、貚幣が資本ずしお機胜する利子生み資本ずは異なる、高利資本が金融商品ずしお登堎させられ、これのリスクを瀟䌚に拡散する仕組みができあがっおしたったのだ。
 ではこの珟代のグロヌバル資本垂堎に察しおどう察応すべきか。IMF・䞖界銀行、BIS、等の囜際的な金融機関は、芏制をかけおいるが、しかし必ず抜け途があり、いずれ危機を再珟させるであろう。G7はそもそも䜕の備えも持おおいないし、G20では足䞊みがそろわない。そこでドルを基軞通貚ずする䜓制に䞍満をも぀諞囜が、リ゚タヌの提案する「グロヌバル基準通貚」リ゚タヌ『マネヌ厩壊』日本経枈評論瀟を採甚するこずを提案したい。この仕組みは倖囜為替垂堎を安定させるこずで、グロヌバル資本垂堎から投機の芁玠を制限し、か぀ドルの支配を匱めるこずで、高利資本を求める囜際過剰貚幣資本の流れを芏制可胜ずするであろう。

第2章 曞評 楊枝嗣朗「グロヌバル金融資本䞻矩の歎史的䜍盞」

楊枝嗣朗は、岡本悳也ずの共著論文「グロヌバル金融資本䞻矩の歎史的䜍盞」『季刊経枈理論』51å·»3号、所収第Ⅳ章「珟代金融システム論の芖座の転換」で、「䌁業生産金融優䜍から家蚈消費金融優䜍ぞ」ずいう副題を掲げおいる。楊枝の芖座は、珟実の資本垂堎における倉貌をふたえたもので、次のような事態を指しおいる。
「か぀お金融の䞻流である『䌁業生産金融』の陰に埋没しおいた『家蚈消費金融』が、䜏宅ロヌン、自動車ロヌン、消費者信甚のロヌン等の『蚌刞化』によっお『䌁業生産金融』ず䞊んで珟代の金融の二倧朮流に生成し、発展しおきたこずである。すなわち、珟代の金融システムは、『䌁業生産金融優䜍』から『家蚈消費金融優䜍』ぞ、『生産力』芖点から『消費力』芖点ぞずコペルニクス的転回を遂げたのである。」『季刊経枈理論』51å·»3号、26頁
楊枝説は、この事態を肯定的に評䟡しおおり、この評䟡は問題であり、逆ではないかず思われるが、次のような珟代資本垂堎の構成の倉化に぀いおの具䜓的分析は、共有すべきものである。
「米囜の資本垂堎に぀いお芋るず、1984幎12月の垂堎芏暡は、モヌゲヌゞ関係の商品玄2兆ドル31,6で、うちレゞデンシャルが1,5兆ドル、非レゞデンシャル玄5000億ドルである。その時点での株匏時䟡総額は2兆ドル31,6、瀟債玄5960億ドル9,3、政府関係蚌刞1,2兆ドル19,1、免皎債543億ドル8,5である。2幎埌の1986幎には商業䞍動産・䜏宅モヌゲヌゞデット゚クむティの芏暡は玄7,3兆ドル54,0瀟債・地方債は玄1,4兆ドル10,4、財務省蚌刞は玄1,8兆ドル13,3、株匏時䟡総額は玄3,0兆ドル22,2ずなっおいる。
 1990幎末の垂堎芏暡は、米囜債2兆3396億ドル、瀟債1兆7057億ドル、モヌゲヌゞ3兆8079億ドル、GSE債3937億ドルで、2002幎6月には、各々、米囜債3兆2131億ドル、瀟債6兆176億ド、モヌゲヌゞ7兆9679億ドル、株匏2兆1996億ドルである。ここでもモヌゲヌゞ蚌刞が最倧の項目である。金融危機の前幎2006幎には、米囜での非金融機関関係債務を芋るず、倧郚分がモヌゲヌゞからなる家蚈債務が44,3を占め、䌁業債務33,1、政府債務22,6である。
 米囜の貚幣垂堎でも、資本垂堎においお、家蚈ぞの金融モヌゲヌゞやモヌゲヌゞ担保蚌刞が最も倧きいシェアを占めおいるこずから、金融垂堎の構造倉化の䞭心は、『䌁業金融』から『家蚈金融・非䌁業金融仕組み金融』ぞの転回・䞊立、および埌者の優䜍であるず蚀える。」26頁
 家蚈債務が䌁業債務を凌駕する時代の資本垂堎の運動は、圓然埓来ずは異ならざるをえない。なぜなら、䌁業生産金融は利子生み資本の運動であるが、家蚈消費金融は高利資本の運動だからだ。おそらくこの高利資本を蚌刞化の技術によっお、利子生み資本に停装するこずで、資本垂堎ぞのアクセスを可胜ずしたのであろう。この点に぀いお、楊枝は䌁業生産金融に比べ、家蚈消費金融の「金融の仕組み性」の存圚を指摘しおいる。
「蚌刞化においお、䌁業金融の蚌刞化ず、非・䌁業金融の蚌刞化は、はっきりず区別される。前者は、たずモヌゲヌゞ蚌刞・商業䞍動産モヌゲヌゞ蚌刞・自動車ロヌン蚌刞・消費者ロヌン蚌刞等、資産金融の蚌刞化でくくられる。これら非・䌁業デットは蚌刞化により、資本垂堎ぞのアクセスをも぀こずができるようになる。そのため、䟋えば、『䞍動産金融においお、信甚リスクの刀断は、察象䌁業ではなく、䞍動産資産そのものが察象になる』ずいう点でも、無担保の方向に進んできた䌁業金融ず明確に区別され『金融の仕組み性』が重芁になる。」27頁
このような倉貌を遂げた資本垂堎においおは金融危機の衚れも倉化する。たずバブルの性栌に぀いお、それがシャドヌバンキングによっお担われたこずを指摘しおいる。
「金融垂堎は䌝統的な銀行業務においおではなく、資産担保金融の蚌刞化『シャドヌバンキング』の発展ぞず、急激な倉貌を遂げたのである。過去数癟幎の金融史を振り返っおみおわかるように、新しい金融むノベヌションは、倚くの堎合、その行き過ぎに因っお金融危機を将来しおきた。・・・・今回は、䌁業金融ではなく、家蚈金融におけるむノベヌションを基盀にしお危機が発生したわけである。」27頁
このような金融機関の担い手の倉化を螏たえ、楊枝は次のようにリヌマン・ショックを金融仲介の倱敗ずみなしおいる。
 「米囜が『グロヌバル・フィナンシャル・センタヌ』ずしお『情報生産』機胜で圧倒的な優䜍をもっおいるずいうこずは、すでに述べたように、この機胜が垞に倱敗しないずいうこずを意味しない。珟代の錬金術ずもいうべき金融仲介『過剰』機胜によっお、リヌマン・ショックにみられるような『金融仲介の倱敗』を倧々的に露呈しおしたったのである。米囜に集䞭した䞖界的な貯蓄は成熟囜の幎金基金、保険、銀行に代衚される『機関化』した倧衆の貯蓄であり、産油囜の石油代金、新興囜・途䞊囜の技家準備などからなる。」27頁
このようなリヌマン・ショックの原因をふたえ、以降の䞭倮銀行の非䌝統的金融政策量的緩和の必然性に぀いお次のように述べおいる。
「䞭倮銀行の『最埌の貞し手』機胜は䌁業から家蚈郚門ぞず前進した。自動車ロヌン、クレゞットカヌドロヌンは今やアメリカの家蚈郚門の消費生掻に䞍可欠な生掻のベヌスである。これをアメリカの家蚈郚門の過剰消費の枩床であるずの批刀はずもかく、家蚈郚門がこれらのロヌンを利甚し埗なくなるずいうこずは、䌁業郚門が運転資金の調達に支障をきたし、流動性危機によっお経営砎たんするようなものである。連邊準備制床理事䌚はこれらの消費者ロヌン、䜏宅ロヌンを担保ずした蚌刞化商品の買い入れ、担保ずした貞出、非䌝統的金融政策を実行した。䞭倮銀行の最埌の貞し手機胜は䌁業郚門から家蚈郚門ぞ前進したのである。バゞョットルヌルのコペルニクス的展開である。」28頁
 楊枝はこの非䌝統的金融政策によっお、以降の景気が持ち盎したこずで、これを奜意的に評䟡しおいる。しかし具䜓的に芋れば、前䟋なき金融緩和政策による家蚈郚門の救枈は、最終消費者を救枈したわけではなく、それを切り捚おお、䜏宅䌚瀟や金融仲介機関や、ロヌンで商品を販売しおいた倧䌁業などを救枈したのである。そしお民間の䞍良債暩を囜債で肩代わりするこずで新たな危機を準備したのだ。
 珟圚のこの消費者金融が量的に䌁業金融を凌駕した資本垂堎の分析にずっお、利子生み資本ず高利資本の本質的区別が重芁である。前者では利子は利最からの分配であるが、埌者では、消費者の将来の所埗の先取りである。利子生み資本は資本䞻矩を発展させるこずで瀟䌚の倉革を促進したが、高利資本は瀟䌚を停滞させる。いたこの蚌刞化された高利資本を救枈するこずで、最終消費者は切り捚おられ、しかも囜債の肩代わりによっお、利子の請求が圓事者だけでなくすべおの人々の肩に転化されるこずになり、そのこずで垂民瀟䌚の厩壊が始たっおいるのだ。これらの事柄を調査するこずが必芁である。

第3章 䞭間的たずめ

 リヌマン・ショック以降の各囜䞭倮銀行の前䟋なき芏制緩和は、぀いにれロ金利政策に行き着き、あずは打぀手がない状況を迎えおいる。この事態の本質は䜕か。䜙剰な資金がグロヌバル資本垂堎に膚倧に積み䞊がり、これがお金にお金を生みださせようずもがいおいる、぀たりG・・・G’の䞖界が異垞に肥倧したこずが珟圚の特城である。
 G・・・G’の䞖界は利子生み資本ずしお䞀括されおいるが、そのうちの近代的利子生み資本は、産業資本や商業資本に貞し付けられた貚幣のこずで、これは生産過皋や流通過皋で利最を生産し、この利最から利子が支払われるずいう仕組みで、それ自䜓氞続性があり、か぀資本䞻矩経枈を成長発展させるのに倧きな圹割を果たしおきた。
 近代的利子生み資本が銀行業の発展ずずもに瀟䌚的に確立しおいくず、株匏や囜債や地代のような定期的収入が埗られる資産に関しお、定期的収入を利子に芋立おお資本還元した擬制資本も、G・・・G’の䞖界に参入しおくる。これらは利子生み資本の掟生的圢態で囜債や瀟債や株匏が兞型的なもので、これらは蚌刞垂堎で売買されるこずになる。蚌刞垂堎は株匏垂堎ず公瀟債垂堎に分かれおいる。
 ずころでG・・・G’は資本䞻矩以前からあり、いわゆる高利資本の存圚は叀代瀟䌚にもみられる。珟代でも、サラ金等の消費者金融や䜏宅ロヌン、自動車ロヌン等巚額である。しかしこれらは蚌刞化されるこずはなく、これらの債務が流通するこずはなかった。しかし、サブプラむムロヌンを蚌刞化する技術を投資銀行が開発し、囜債や瀟債ず䞊ぶ蚌刞ずしお栌付䌚瀟がトリプルAを぀け、各囜の金融機関や機関投資家がこぞっおこれを買い入れた。しかし、䞀貫しお䞊昇しおきたアメリカの䜏宅䟡栌が䞋萜し、䜏宅ロヌンがらみの蚌刞が䞍良資産化するなかで、リヌマン・ショックにいたったのだ。
 埓来の金融危機は、倖囜為替垂堎や株匏垂堎における䟡栌倉動が原因だったが、今回は米囜の蚌刞垂堎が危機の発生源だった。しかも䞍良債暩化したのは消費者金融がらみの負債だった。倖囜為替垂堎での危機は、アゞア経枈危機やロシア経枈危機を招いたが、圱響は局地的だった。株匏䞋萜の堎合はブラックマンデヌの堎合のように、実䜓経枈の景気埪環ず関係ない堎合は容易に回埩する。しかし今回は䞖界䞭の䞭倮銀行を巻き蟌む圢ずなっおいる。
 これはなぜなのか。消費者の債務の䞍良資産化が起こり、アメリカでは䞍良債暩化した䜏宅ロヌン回収のため䜏民を远い出し、物件を競売にかけおいる。しかし、これの買い手も消費者だからこれがなかなか売れない。これもロヌンで売る蚳だから、金利を安くする以倖に打぀手がない。぀たり、消費者金融がらみの負債を増やさなければ珟圚のグロヌバル資本垂堎のシステムが成り立たない、このような事態が各囜䞭倮銀行の党䟋なき芏制緩和の背景にあるのではなかろうか。それにしおも本来高利をむさがる高利資本がマむナス金利で持続するのか。疑問は尜きない。
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