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2007/07/23

廣瀬純講演会とシンポジウムin京都報告

Category: バラキン雑記 :

Author: ebara (4:55 pm)

7月22日に行われた「廣瀬純講演会とシンポジウムin京都」の報告です。
　参加者：50名
　熱の入った報告をしていただいた廣瀬さんに感謝です。講演内容はごく一部のもので私が気に入った部分です。

１）廣瀬純さんの講演内容
　ラテンアメリカでのネオリベラル路線の導入は、1980年代前半で、軍政から民政への転換の時期にあたる。サッチャー・レーガン・中曽根の時代。
　民主化と自由を求める民衆運動の流れを開発主義と市場における自由へと誘導した。市場での自由とは購買力に応じたものに過ぎない。
　20世紀末における左派政権の誕生。反ネオリベラル運動における政権と運動との隔たりが今日のテーマ。
　政権にとっての自立性とは、近代的な主権国家と資本主義を再確立し、ワシントン（IMF・世界銀行）からの自立とラテンアメリカ地域をまとめるというもの。IMFからの債務を完済することでIMFの力をそいでいく。南米銀行の構想。
　運動の側。顔の見える共同体レヴェルでの自立性。資本主義にも代表制（国家）にも依存しない。世界社会フォーラムとは同一視できない。フォーラムはフランス発の運動。左派諸政権のほうがこちらに近い。NGOなどが取り組んでいるさまざまな社会プログラムは運動を豊かにするものというよりは運動の自立性を解体している。
　社会プログラムについては、ネオリベ政権が導入し左派政権も継承しているが、これは世銀の活動の転換による新たな戦略で、運動にとっては自立性構築の最大の敵になりうる。
　ネオリベ政策によって崩壊させられた地域に国内移民が流入し、再整備された都市の例。都市の建設を自前で行う．①最低限のインフラの自主管理（上下水道、電気、ガス、保険）②収入源確保のためのインフォーマル経済（家族単位の稼ぎ）③直接的民主主義の追及。要するに資本と労働とを分離させない（資本蓄積の止）、代表制を回避する（共同体が国家をモデルとしない）。
　究極的なネオリベ状況からの反転としての意義。近い記憶（近代）ではなく遠い記憶の新たな形での復活。政治と経済の未分離、資本と労働の分離はなく、短期輪番制で役を回す。
　以上が共同体の内部の実践の紹介で、重要なポイントは、主権をひっくり返し、代表制・資本制に従わないというところにある。
２）シンポジウム
　講演の後、共生型経済フォーラムからは、津田さん、斎藤さん、NPO法人remoからは櫻田さんがパネリストとしてシンポジウムに参加した。

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