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表さんの『情況』連載論文の告知

1:表さんの『情況』連載論文の告知
ebara 09/30 22:22
表さんの『情況』連載論文の告知  田中

 すでにご存知の方もおられると思いますが、表三郎さんの新連載が『情況』10月号からいよいよ始まりました。フォイエルバッハ・テーゼの解明を―実践概念を中心に―主題としたものであり、初期マルクスの思想形成全体を射程に入れたもののようです。
 ホロウェイの『権力を取らずに世界を変える』をめぐる榎原さんの論考は、社会革命と政治革命の関係という古くからありながら、いまだ合意形成ができていない問題をめぐるものでした。この問題は、初期マルクスの中心的なテーマでもありました。表さんの今回の論文は、おそらくホロウェイの問題提起を視野に入れたものとなると思っています。   
 今回の論文の論争的性格を特に象徴している部分を引用します。

 「マルクスのフォイエルバッハ・テーゼの第一は、ヘーゲルとフォイエルバッハの内的連関にそって、この両者を〈実践〉を基軸として克服するテーゼとなっているのだから、何を問題にしているかといえば、まさに人間の自己意識が、自己実現において始めて達成されることであり、この自己実現は、人間が歴史のなかで生み出してきた社会の変革をおいては不可能だということなのだ。」(『情況』10月号、p.192)

 実践を問題にしているのに、自己意識が問題とされているとは!実践と意識を対立的に捉える常識への挑戦ではないでしょうか。また、自己実現が共産主義の実現だとすれば、現在の社会ではいまだ実現されていない事態でしょう。通常(常識的理解においては)、自己意識とは自我というかたちで了解されており、どんな社会的歴史的段階における人間でも成立しているものと思念されているのではないでしょうか。この文章がどのような意味をもっているのか、現在の私の理解能力を超えています。だからこそ、今後の展開に期待しているのです。
 皆さんにぜひ一読していただきたいと思います。そしてこれを契機に様々な論争が始まることを期待しています。



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